お茶の淹れ方

美味しいお茶を淹れるには2

お茶好きなあなたへ
さて、お茶を淹れる時に大切にすることの中で、こんなことに迷っていませんか?
自分が飲ませたいお茶を飲ませるか、相手が飲みたいお茶を飲ませるか。

どちらが大事かの決着はつかないし、どちらもあっていいと思います。
その両方についてどう意識していけばいいかをお話ししたいと思います。

自分が飲ませたいお茶を知る

これは飲んでもらう相手より、あなたの方がお茶のことを知っている前提でお話しします。
お茶にはそれぞれポテンシャルというものがあって、単純にうま味、甘味、苦み、渋味などに特徴があるもの、あとは香りや色などもそのお茶の特徴として挙げられます。

これらの特徴をどう活かして淹れるかを、あなた自身が把握しておく必要があります。
極端な例を挙げると、玉露茶。
うま味と甘味を存分に味わうため、とても低い温度で淹れる方がよいです。
これを熱湯で淹れたらえぐみと苦みで飲めなくなります。
この、低い温度で淹れたほうが美味しいお茶である、ということを知っておく必要があります。

煎茶であれば、このお茶は品種的にも香りを活かした方が美味しいとか、
このお茶はかぶせてあるから少し甘味を引き出そうとか、そういう特徴をあらかじめ把握しておき、それを楽しんでもらうというものです。

相手が飲みたいお茶はどうする

お茶の好みってありますよね。
今はまったりうま味が強いお茶がほしいとか、
渋味がきいてスッキリしたお茶がほしいなど、その時々でも飲みたいお茶の味が変わります。

何種類かお茶を用意しておけるのがベストかもしれませんが、それが厳しい時は今目の前にあるお茶でなんとかするしかありません。

ここで大切なのは、そのお茶のベストと、それ以外の淹れ方を探っておくということ。
お茶にはそれぞれベストな淹れ方がありますが、必ずしもそれがすべてとは限りません。

例えば、僕が最近飲んだお茶でこんなことがありました。
宇治のやぶきた品種ですが、パッケージには70℃~75℃がベストと書いてありました。おそらくうま味を出すのがよいお茶だったのでしょう。
それを85℃くらいのお湯で淹れたら、非常に香りがよくその淹れ方の方が美味しいと感じました。

このような例はたくさんあり、お茶をいろんな条件で淹れておくとかなり便利です。
お茶の特徴の勉強にもなるし、自分でも気分に合わせてお茶を飲むことができるので、一つの型にはまらず、いろいろ試してみてください。

1つのお茶で3つぐらい淹れ方の条件を持っていれば、どんな注文にも答えられますもんね。

普段どういう心構えでいればいいか

僕はお茶のポテンシャルを知り、そのお茶の特徴を飲んでもらう形でいたほうが良いと思います。
相手がどんなお茶を飲みたいか言ってくる時、ほとんどの場合、うま味がとか渋みがのような簡単な特徴しかオーダーしてこないと思います。

お茶をうま味や渋みというくくりで分けてしまうと、ものすごく世界が狭まります。
でも、そのお茶の特徴となると、産地間の違い、品種間の違い、生産者間の違いなど世界が無限に広がります。
その一つ一つのお茶の特徴を把握し、それを提供できた方が僕はいいと思います。
それに、普段からそれぐらいしていればどんなお茶が飲みたいとオーダーが入っても問題なく提供できると思いますしね。

終わりに

いかがでしたか?
お茶の特徴を知るってすごく大切なことなんです。
同じ品種でも産地や生産者が変われば味も香りも変わりますし、パッケージで温度を推奨してても、それが必ずしも正しいわけでもないですし。
それに、どんなお茶がどんな条件で淹れるべきか、おおまかな基準が出来上がるので、お茶淹れも楽になります。

ただ単純にパッケージに書かれている条件だけでなく、いろいろ試してみて自分の幅を広げてみてください。