いろいろなお茶

番茶の効果効能に驚き!カフェインが気になる方も毎日のお茶に

普段家で煎茶を飲む方に是非知ってほしいお茶、それが【番茶】です。
煎茶に対して番茶は安価で手に入りやすく、それでいて栄養価も高い魅力的なお茶です。
毎日のお茶にとてもおススメです。

今日の話 
・番茶について
・番茶のメリットと効能
・番茶の淹れ方

毎日のお茶に番茶

番茶は熱湯で淹れても苦くなりにくいお茶です。
やかんやボトルに多めに作り置きをするのに適しています。
毎朝、あるいは食事の時などにおすすめです。

そんな番茶はこんなお茶です。

昔の番茶と今の番茶

番茶とは【番外茶】や【晩茶】とも言い、いつもとは違う、収穫が遅いという意味合いを持ちます。
多くの食材で言われる、【はしり、旬、なごり】の【なごり】に当たります。

今の時代は煎茶に対して番茶というイメージで、グレードの低いお茶として売られています。
使われているお茶も2番茶や三番茶以降のお茶であるため、価格も下がります。

しかし元々は、一般庶民が飲むお茶を総称して番茶と呼ばれていました。
今では当たり前の蒸し製茶が出回ったのが江戸時代も後期です。
それまで日本各地のお茶は、その場所場所で独自の飲み方が出来上がっていきました。

だから全国にいろいろな番茶が存在する

【美作番茶】【京番茶】【阿波番茶】【日干し番茶】など番茶にも様々な呼び名があります。
これは各地で独自に発展したお茶の飲み方で、その土地の文化がしっかりと現れています。

通常番茶は、摘まれたお茶を振り分けたときに出る不ぞろいの葉で【川柳】と呼ばれるものを使用します。
あるいは、旬を過ぎて硬くなった葉を干したりしたものもあります。

美作番茶は、茶を干す時に茶の抽出液をかけて干すという少し変わった作り方をします。
お茶につやが出る事や、通常の番茶よりカテキン量が多く含まれるそうです。
京番茶は炒り番茶とも呼ばれ、ほうじ茶に近い香ばしい香りが特徴です。
阿波番茶はお茶を乳酸菌で発酵させることで独特の香りを出します。
お茶では珍しく酸味を感じることができます。

このように各地でいろいろな飲み方がありますが、どれもお茶を美味しく飲もうと食文化の面白いところがお茶にもしっかり洗われています。

産地ごとに番茶を飲み比べるのも面白いかもしれませんね。

番茶とほうじ茶の違いは

番茶とほうじ茶は一見同じようなイメージですが、使っている葉や作り方が全く違います。
番茶は簡単に言えば、旬を過ぎたお茶のことを言います。
地域やお茶屋さんによって作り方は様々ですが、多くの食材で言う「なごり」のお茶です。
場所によっては緑茶を蒸さず、炒らずに飲めるようにしたり、発酵させたりとバリエーションも豊富なお茶です。

それに対してほうじ茶は、お茶の選別で出た【出物】という捨てられる部分を炒ることで作られます。
製茶をする際にどうしても捨てられる部分が出てきてしまい、それをどうにか飲めるようにできないかと考案されたのが始まりだと言われています。
今は【炒り番茶】というものがあったり、ほうじ茶も出物以外のいい部分を使ったりとバリエーションが増えているので線引きが難しいですが、基本の考えとしは捨てる物の再利用というところです。

番茶もほうじ茶も商品価値がグレードが低く、番茶に関してはお茶屋さんによっては作らないところもあります。
しかし、この二つのお茶は旬こそ過ぎたものの、味も香りもしっかりあり、飲み飽きないお茶としても非常に優れています。

番茶の効能とメリット

番茶は比較的安く出手に入るお茶ですが、効果効能はとても優れています。
味や香りこそ煎茶の繊細さには勝てないかもしれませんが、農家が自家用に作るお茶であり、まかない用のお茶でもあります。
煎茶よりも番茶の方が好きって方も、意外と多くいたりします。

カテキンが豊富

番茶はカテキンの量が豊富です。
茶葉の【うま味成分】である【テアニン】が太陽光を浴びることにより【カテキン】に変化していきます。
そのため一番茶より二番茶、二番茶より三番茶というような形でカテキンの含有量は増加します。

緑茶カテキンを効率よく摂取したいときは意外と番茶を飲む方がよかったりします。
安価で購入できる点も魅力的です。

カフェイン量

番茶は煎茶に比べてカフェインの量が少ないです。
お茶はもともと【テアニン】という【うま味成分】が太陽光を浴びることで【カテキン】に変化していきます。
この代謝反応の際、茶葉に含まれるカフェインも減少していくので必然的にカフェイン含有量が減少します。

番茶のを作る茶葉の時期にもよりますが、煎茶に対しておよそ2割源ぐらいといったイメージです。
なので1日に飲んでいい量は、湯呑7杯ぐらいかと思います。

ただ、カフェイン量がゼロになるわけではないので、その点はご注意ください。

その他カフェインに関しての情報は下の記事をご覧ください。

免疫ビタミンポリサッカライド

番茶の中でも【秋冬番茶】と呼ばれる秋に摘まれる番茶には
ポリサッカライドという成分が多く含まれています。
番茶を水出しで飲むことで多く摂取できます。
免疫力を向上させるために効果的な成分です。

ポリサッカライドとは

このポリサッカライドという物質は特定の微生物の細胞壁にある成分で、自然界の植物や食品にそれらの微生物が付着した状態で口にすることで得られます。

免疫力向上効果 水出し茶で

ポリサッカライドの効果はマクロファージの活性化による免疫力の向上です。
水出し冷茶のエピガロカテキンと同じ働きです。
メカニズムについては詳しくは下の記事をご覧ください。

https://k-tea-net.com/2020/05/31/%e7%b7%91%e8%8c%b6%e3%81%a7%e5%85%8d%e7%96%ab%e5%8a%9b%e3%82%92%e4%b8%8a%e3%81%92%e3%82%88%e3%81%86/

このポリサッカライドは水出し冷茶で多く取ることができます。

ポリサッカライドは微生物の細胞壁の成分のため、熱に弱く水出し冷茶でなければあまり多く摂取できません。 

免疫力向上のためにこの夏の水分補給は緑茶の水出しで決まりですね。

淹れ方

番茶の淹れ方です。
番茶は熱めのお湯でさっと淹れるのがコツです。
カフェイン量が少ないので苦くなりにくく、カテキンが多いため、渋味がはっきりするので良いです。

熱いお湯でさっと

熱めのお湯での淹れ方
手順1:急須に番茶 約5gを淹れる
手順2:次に熱湯に近いお湯を約150ml(マグカップの半分ほど)
手順3:30秒~40ほど蒸らす
手順4:湯呑に注いで完成

お茶によって抽出時間を30~40秒ぐらい

免疫力向上のため 水出し冷茶

水出し冷茶の淹れ方
手順1:茶葉約10gを容器に入れる
手順2:冷水を750~1000ml入れる(容器の容量いっぱいまで入れる)
手順3:冷蔵庫で約3時間置く

冷水は冷たければ冷たいほど良いです。
10℃前後だとEGC(エピガロカテキン)の抽出率がよくなります。
0℃ぐらいの氷水だとカフェイン抽出がほぼ0になります。また、成分の抽出自体は約1時間でちょうどいいぐらいになります。
3時間置くのはお茶の味がよくでるためです。
水出し冷茶にすると甘味も強くてより飲みやすくなります。

冷茶は専用ボトルを使うことをおススメしますが(茶こしがついているため)500mlPETボトルなどを代用することもできます。
ただし、500mlPETボトルを使うときは茶こしを使うことをお忘れなく!

最後に

いかがでしたか、番茶ってすごいでしょう?
生産地域でお茶の味が変わるのは当たり前ですが、
ここまで地域性が色濃く出るお茶は【番茶】の他にありません
こんなに面白いお茶だったとは思いもしませんでした。
お茶屋さんで見かけたときは是非手に取ってみてください。

下の番茶は少し変わった番茶です。
特に京番茶は他にはない味わいで面白いです。

色々なお茶を飲んで、楽しいティーライフを過ごしましょう。

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