
美味しくないと感じるお茶を淹れたときからあなたの人生は充実に向かっていると思います。
大げさな話かもしれませんが、何かを作り上げるというもののスタート地点に立っているようなものです。
どんな分野も世界も一緒、最初から上手くいくはずなんてないとはわかっていても早く結果を得たいのが人間というもの。
僕もそうでした。
もしお時間があるならちょっとこの記事を読んでみてください。
はじまりから結果までの間にある【過程】。
その大切さを知ることで、【過程】そのものを楽しむことが出来るかもしれません。
僕にはお茶の分野からみたお話ししかできませんが、他の分野にも広く共通することがあると思います。
せっかくお茶というものに興味を持ったのなら、美味しいお茶を淹れられるようになりましょう。
・経験という苦労からわかるプロの味
Contents
美味しくないお茶を淹れた瞬間からあなたの人生は充実に向かっている
最初から美味しいお茶を淹れることができたとしたら、それは数学のテストで適当な数字を入れてたまたま正解したのと同じです。
次にその問題に出くわしたとき、その数字が導き出されるまでの式を理解していないからです。
それを理解することこそが過程です。
過程を経て経験した喜び
思い出してみてください。
小学生の時、少し難しい算数の勉強で式の意味が理解できた時うれしくなりませんでしたか?
中学のテストで100点満点中10点だった僕ですらそんなうれしいことがあったので、あなたにもきっとあるはずです。

お茶淹れもそれに似ているところがあります。
まずは淹れてみた、あまり満足のいく味ではない。
じゃあ何が足りないのか、お湯の温度を少し下げてみようなど試行錯誤を繰り返します。
試行錯誤を繰り返してある日突然、「なるほど!」ってわかる瞬間があるんです。
算数で言うなら式を理解した瞬間です。
そしてある日突然、美味しいお茶の淹れ方がわかるようになります。
算数も何度も解いたから理解ができた
試行錯誤とは何度もいろんなことを試すということ。
算数の式が理解できたのは、問題を解いてみて間違えた、わからないという経験がスタートです。
数字を何回も当てはめて、やっと答えにたどり着いた時、ここでこの数字を使うのかと理解します。
お茶で言うなら式は淹れ方です。
例えば85℃で長い時間蒸らしたらすごく苦くなります。
それをどんなに教えてもらっても、実際どれだけの時間置くのか、どれだけ苦いのかは経験して見ないとわかりません。
何度も試してみて、時間と苦味の関係性がわかってきます。
そんな過程を経て、「あ、美味しい」と思えるお茶を淹れられた時の喜びは格別です。
人生が充実するというのはまさに、経験から何かを作り上げていくことだと僕は思います。
何十回、何百回と思うとしんどくなるかもしれませんので、最初は何回かでもいいです。
何回かの試行錯誤でも必ず良くなっていきます。
それを積み重ねていったら、いつの間にか何十回、何百回となっています。
経験は少しの苦労 そこからわかるプロの味
美味しくないお茶を淹れることの大切さはもう一つあります。
それが、そこからプロの味が理解できるようになるということです。
1、良くない味を知っているから本当の美味しさがわかる
2、練習することで、お茶淹れの大変さがわかればプロの努力も見える
1、良くない味を知っているから本当の美味しさがわかる
最初からある程度美味しいお茶以上の物しか淹れられていなければ、本当に美味しいお茶が美味しいと感じられないと思います。
例えば店でお茶を注文して飲んだら美味しいですよね。
それは当然なんですけど、何も基準がない状態だとその物がどれだけ美味しいのかがわからないです。
ところがあまり経験がない状態で淹れたお茶を飲んでから改めてお店で飲むと、本当に美味しいんだということがわかりますよね。
一例をあげるとカップラーメンとかわかりやすいですね。
コンビニでかった数百円のカップラーメンとお店の1000円のラーメン。
お店のラーメンが美味しいって誰でもわかります。
でもそれは、200円のラーメンを知っているからこそであり、初めて食べるラーメンがお店のラーメンだったら、そのおいしさの本質には気づけないです。
2、練習することで、お茶淹れの大変さがわかればプロの努力も見える

これもすごく大事なことだと思います。
練習することで、プロの努力が理解できます。
例えばうま味がすごく濃いお茶を飲んだとします。
うま味は【テアニン】という成分が多く関与していて、その量が多ければ多いほどうま味が強いお茶になります。
しかし、抽出の時間が長いとカフェインなどの他の成分も多く抽出されます。
そこで苦味などが強くなると、味のバランスがくずれます。
お茶を淹れた経験があると、このバランスをとることに苦労することを理解できます。
その上でうま味が濃いお茶を飲むので、その淹れ手がすごく練習したことや試行錯誤したことが感じられるようになります。
努力や一生懸命さは伝わる
この、努力や一生懸命さが伝わるというのは、分野を超えて共通しています。
例えばすごく努力をした料理人がすごく努力をした淹れ手のお茶を飲んだら、その努力や一生懸命さが伝わります。
だからあなたがお茶淹れを少し努力してみると、お茶以外のところでも感動できるようになるということです。
これも一つの充実です。
終わりに
人生においては何でもそうですが、失敗しなければ成功はありませんし、失敗しなければ逆に道に迷います。美味しくないお茶がを淹れた経験があるからこそ自分が淹れた、あるいは誰かが淹れた美味しいお茶に価値が生まれます。
なぜならその人もたくさん練習したんだとわかるからです。
そしてそれがわかるのはあなたが美味しくないお茶を淹れた経験があるからです。
もっと上手くなりたいと悔しい気持ちにはなるでしょうが、その未完成の1杯こそ誰よりも美味しいお茶を淹れるため価値ある1杯だったりするんですよね。