読んだ方がいい記事

普通蒸し煎茶と深蒸し煎茶

普通蒸し煎茶                    深蒸し煎茶

お茶好きのあなたへ
今日もお茶を飲みましたか?
お茶を知るためにも、毎日の健康のためにもお茶をたくさん飲みましょう!

ところでお茶を選ぶ時、【普通蒸し煎茶】と【深蒸し煎茶】という言葉で迷ったことはありませんか?

煎茶と言えばまずはこの2つのお茶。
今日は特徴と違いをお話しします。

そもそも【蒸し】とは?

そもそも蒸すってどういうことなのでしょうか?

お茶の葉は摘まれた瞬間から酸化酵素が働き、発酵していきます。
この発酵とは、酸化発酵といって科学的な発酵です。
この発酵が進むことでお茶は烏龍茶になっていき、最終形として紅茶になります。

この酸化発酵を止める方法として、お茶の葉に熱を加えるという工程があります。
殺青(さっせい)と呼ばれるこの工程こそが、お煎茶の【蒸す】ということになります。

この蒸す時間の長さで【普通蒸し煎茶】と【深蒸し煎茶】に別れます。

【普通蒸し煎茶】と【深蒸し煎茶】の違い


普通蒸し煎茶                    深蒸煎し茶

蒸し時間の長さで普通蒸しか深蒸しかが決まりますが、この時間の長さで何が変わるのか。

まずはお茶の形状です。

蒸す時間が長くなればなるほどお茶の組織が壊れやすくなります。
つまり、完成したお茶の形状が、蒸せば蒸すほど粉に近くなるということです。
一番上のお茶の写真を見比べてほしいのですが、左の普通蒸し煎茶は透き通っているのに比べて、右の深蒸し煎茶は濁っています。
これは普通蒸し煎茶に比べて、深蒸し煎茶は葉が細かく沈殿物となってでてくるのでこうなります。
上の写真を見比べてください。右の深蒸し煎茶は奥の方が粉々しくなっているのがわかると思います。

次に味わいです。

味わいに関してもこの二つは全く別のものになります。
まず普通蒸し煎茶に関しては香りと味がそれぞれ独立して感じられるイメージです。
例えば渋味、苦み、うま味、甘味、香りがはっきりとわかるというような感じと言いますか、品種の違いや産地の香りがわかりやすいです。
お茶の特徴がはっきりとわかるため、良くも悪くも偏りがあります。

逆に深蒸し煎茶は、これらがすべて混同していて一つの大きな塊を味わっているイメージです。
味わいはまろやかになり、どっしりとしていて飲みごたえがあります。
その代わりお茶の特徴がわかりづらいのと、深蒸し茶間の味の違いが分かりづらい、
特徴があまり出ないです。

この表現、すごくわかりにくいと思いますが、これが理解できたらかなりお茶を飲んでいる証拠です。

もともと深蒸し煎茶は、渋味や苦みをあまり感じないお茶をと開発されました。
淹れるまでの時間も短く、かつ飲みごたえがあるため、当時は江戸を中心にかなり飲まれていたそうです。
今でもその名残は色濃く残っていて、深蒸し煎茶の生産量はかなり多いです。

【普通蒸し煎茶】と【深蒸し煎茶】どちらがいい?

結論どちらもいいお茶です。
お茶を知っていくなら両方ともたくさん飲んでください。
ただ、あえて参考にしてほしい情報としては、
品種、産地、香り、など嗜好品としての勉強をするなら【普通蒸し煎茶】の方がわかりやすいです。
その産地や品種の特徴がかなりわかりやすいです。

もちろんそうした情報を上手く活かして【深蒸し煎茶】にする生産者もいます。
でもかなり少数です。
そういうお茶は、お茶のイベントや各府県を回って探すしかないです。
普通のお茶屋さんで探すのはかなり困難なので。

じゃあ【深蒸し煎茶】のいいところはと言えば、ほぼ確実に失敗しないです。
失敗というのは美味しいか美味しくないかというところです。
【深蒸し煎茶】は良くも悪くも特徴が出にくいお茶ですが、味も安定しています。
なのでほぼほぼ一定以上の美味しさは保証されていると思います。

【普通蒸し煎茶】って、嗜好品としての感覚があるので、実は人の好みという壁にぶつかるときがあります。
うま味が強い方がいい、甘味がわかりやすい、苦い方が好き、独特の香りが、といういうようなそれぞれの好みにあったお茶が存在します。
なので飲んでみて、「あ、これ違ったな」というケースが必ず出てきます。

逆に【深蒸し煎茶】は、深蒸しというカテゴリさえクリアできていれば「このお茶は違ったな」というケースはほぼないと思います。

もともと深蒸し煎茶は、渋味や苦みをあまり感じないお茶をと開発されました。
淹れるまでの時間も短く、かつ飲みごたえがあるため、当時は江戸を中心にかなり飲まれていたそうです。
そして最大のポイントは、『誰でも美味しく飲めること』万人受けするお茶、ということになります。
なので【深蒸し煎茶】の生産量はかなり多いです。
まあどんな分野でも万人受けを目指している部分はありますし、普段から美味しいお茶を飲みたいのは確かですもんね。

終わりに

いかがでしたか?
【普通蒸し煎茶】と【深蒸し煎茶】

改めてお話ししますが、このブログはお茶が好きなあなたのために書いています。
お茶に興味がある、これから知っていきたい、もうすでに結構飲んでいる、
そんなあなたに読んでほしいブログです。

なので、もっとお茶を知っていきたい、深いところまで知っていきたいのなら、
個人的な意見としては、普通蒸し煎茶→ときどき深蒸し煎茶ぐらいのバランスがいいのかなと思います。

深蒸し煎茶もお茶を知り尽くした人が開発し、今作っている人もかなり熟知した人です。
みんな普通蒸し煎茶をたくさん飲んでお茶を知ってきたのですから同じ道を通らないとです。

それに、嗜好品的な考えから言うと、自分の好みにあったお茶を探していくのが楽しいと思います。
その方が世界も広がって、驚きもたくさんあっていいですよ!