コラム

お茶の栽培の「え?そうなの?」

お茶好きのあなたへ
お茶を知っていく中で、一度は耳にしたことがある言葉があります。

「八十八夜」、「一番茶二番茶」、「70℃1分」

これらの言葉、常識と思っていたら大間違い!
地域ならではな事実があります。

今日はこれらについて少し紹介します。

意外と知らない百八夜  

お茶摘みと言えば八十八夜ですよね、立春から88日目にお茶を摘みます。
農作業するというような昔のならわしだったり、この時期のお茶を飲むと長生きするだったり、様々な理由があってそうい言われていますし、商品名にまでなっている、それぐらいお茶の世界では常識です。

さてそんな「八十八夜」ですが、実は全国統一ではないんです。
おそらくこの数字を守っている茶園は少ないのではないかと思います。

例えば宮城県の桃生茶!このお茶はタイトルにもあります、「百八夜」でした。他にも訪れたところだと奈良県は月ヶ瀬茶!ここはもっと長く、「百十数夜」とかでした。

これはなぜかとういうと、宮城県は単純に気温が低いためお茶が育つのが遅いからです。東北では桜の満開も毎年5月ですもんね、納得です。

奈良県に関しても理由は同じです。
そもそもお茶は山間で栽培している地域が多く、山中は平地に比べて気温も比較的低いため育ちが遅くなる傾向にあるようです。

もっと言えば同じ地域でも少し場所が違うだけで茶摘みが1週間ずれたりします。
宮崎県の北浦なんかは特にそうで、海沿いのお茶に対して、数百メートル離れた山の向こうは1週間茶摘みが遅れると言っていました。
鹿児島県なんか3月には茶摘みが始まるので四十夜とか五十夜とかになりますね。

茶は適期と言って、一番摘むのに最適な日が存在します。
それは一日単位でずれるので本当に適期に摘まれたお茶は質が違います。
ただ、同じ農家でたくさんの茶畑を持っていると、その日にすべて摘みきれないので、適期に摘むお茶を選びます。

なので、そもそも「八十八夜」に摘めること自体奇跡なのかもしれませんね。

まさかの一茶半

「一茶半」、これも面白いですね。
これは新潟県の村上市で作られる「村上茶」に存在します。
村上市は新潟県の北の方に位置する市で、ご想像の通りたくさんの雪が降ります。
この地域のお茶は大量の雪をかぶるため、茶の木は低く育てられています。
寒い地域のお茶の特徴ですね。

雪をかぶったお茶の、雪が降れている部分が一番茶とタイミングがずれて育つのだそうです。
ちょっとタイミングがずれたお茶こそ「1茶半」と呼ばれてます。
それが一番茶と二番茶の間に来るので、2019年は一番茶から二番茶まで立て続けに茶摘みをされていたそうです。

ちなみに、東北では二番茶がありません!単純にお茶が育たないからだそうです。

さて、村上茶は非常に甘いです。雪をかぶると甘味が増し、非常にまろやかになります。
間違いなく僕が飲んできたお茶の中では一番「甘い」です。

素材の甘さって、本当に甘いものはまるで砂糖を入れたのかという印象を持ちます。
このお茶はまさにそれです!!
本当にオススメのお茶です!

以上、「1茶半」でした。

終わりに

いかがでしたか?
お茶を勉強してて思ったことが一つあります。それは、

常識って、ないんですよ。

毎日更新されるこのブログを読んでもらえばわかります。
「え?お茶ってそうなん?淹れ方、それ?」
みたいなことがたくさんあります。

他では知ることが出来ない話、たくさんしていきますので楽しみにしていてくださいね。

では。