コラム

水の話

お水について最近改めて思ったことがあります。
水の違いでお茶の味が全く違うことです。
以前から知ってはいたのですが、なかなか行動には出していませんでした、、
しかし、いざいろいろな水を使ってお茶を淹れてみるととんでもなく味が変わりました。

医学の観点からも健康の観点からも水は大変注目されていますし、いずれ水が処方される時代が来るとまで言われています。
ならば食の世界でも水が重要でないわけがない!
なので今日は水について語ってみようかと思います。

水が重要だと感じた3つの話

マリアージュという考え

以前兵庫県に住んでいた時に食に関してめちゃくちゃ詳しい知り合いがいました。
その知り合いは唐揚げ屋をしていたのですが、店でだす飲み物にすごくこだわりがあったのです。
その中でお茶について話してくれた時、お水のことも教えてもらいました。

「このお茶が美味しいのは、お茶が育ったところと同じ質のお水をつこてる(使ってる)からなんや」
僕が飲ませてもらったのは兵庫県のお茶で【母子茶】というお茶です。
母子(もうし)という地域で作られた煎茶です。

食事の後にそのお茶を淹れながら話てくれました。
僕が驚いたのは、実はその時そのお茶が緑茶と言われるまで何のお茶かわかりませんでした。
それだけ水がお茶の味を変えるのです。そしてそれが本来の味なんだということも知りました。
実際、お茶であればお茶の木が育った場所の水は非常に馴染みやすくいい味が出るのだそうです、お酒やコーヒーなどもそうです。

最近教えてもらったことなのですが、お茶とのマリアージュでまず最初に考えるべきは水なんだそうです。
マリアージュとは食の食べ合わせのことです。
基準やルールなどはなく何でもありなのですが、マリアージュの相性がいいものというのは、たいてい材料に共通点があります。

お茶と水をマリアージュ的に考えると、共通している味又は風味が【水】ということになります。
つまり、お茶が成長するために吸い上げてきた水と、淹れる時に使う水の質が似ていればマリアージュの相性は非常にいいということになります。

意外と合わせるのが難しいのですが、恐らくこれに勝るマリアージュは存在しないと思います。

塩素が渋みを強調させる

お茶を淹れるとき、多くの人は茶葉のことを気にしますが、お水のことまでは気が回らないと思います。
正直どんな水を使っても美味しくお茶を淹れることが出来ると思っているのであまり気にすることがないのかもしれません。

僕も以前はそうで、ずっと水道水を使っていました。
でも、水のことについて気にすると世界が変わります。
どんな水でも美味しく淹れれるのではなく、水がよければどんなお茶も美味しく淹れられます。

実は、水道水に含まれる塩素はお茶の渋みを強調させます。
これは科学的に証明されていることで、お茶の他にもご飯の甘味が向上したり、かつおだしのコクが強くなったりと水一つで味の変化が大きく現れます。

海外でお茶が売れない理由の一つは水

海外でお茶があまり飲まれない理由の一つは水です。
硬水が主流の地域は本当にそうだと思います。
実は硬水とうま味は非常に相性が悪いです、うま味の強いお茶を硬水で淹れてみたらわかりますが、本当に飲めたものではありません。

これは実験しても思ったのですが、軟水と硬水を数種類買ってきてその水で同じお茶を淹れます。
軟水のミネラルウォーターは当然美味しいお茶が淹れられるのですが、硬水だとうま味がえぐく感じるので本当に飲みたくない味でした。

改めて水の力はすごいと感じた実験でしたね。

終わりに

とまあここまでいろいろ書きましたが何が言いたいかというと、水がいい方が美味しいお茶が淹れられるということです。
ここまでくると自己満足の域になるかもしれませんが、こういうところにこだわるのも人生を豊かにしてくれる一つの要因なのではないかと思います。
一つのことを追求していくことで経験が増え、その経験が別のところで役に立つこともあるのです。
特に食に関係することは今後触れることの多い分野ですし、水のことならなおさらだと思います。

お茶を飲む方、料理をする方、あらためてお水のことを知ってみるのはよいのではないでしょうか。