前回の話で、美味しくならない理由の話をしてたけど、もっと詳しく教えてください!
・家で上手く淹れられない理由②その場所に合ったお茶の淹れ方である
・理由③道具をそろえるべき
・まずはどうすればいいか
前回の記事で、家で淹れたお茶が上手に淹れられない理由を説明しました。
理由を知り、改善していくことで美味しいお茶が淹れられるようになります。
今回はその理由についてもう少し詳しく説明します。
下の記事は特に読まなくても大丈夫ですが、今後の話の流れがわかるかもしれないので、気になる方は一読を。
お茶の淹れ方講座第1弾シリーズでは、あなたが家で淹れるお茶の味が教えてもらったときと同じになるようにしていきます。
理由①基本しか教わらず、基本だけでは不十分
前回の記事で基本だけでは不十分ということを説明しました。
正直基本は大切です。基本を知らなければ次に進むことが出来ないのからです。
ただ問題なのは、基本を教わって終わりという人が多いことです。
基本だけ知って終わっている現状
お茶の淹れ方を習いに行く、あるいは本やネットで調べた時、ほとんどの場合は基本の淹れ方だけで終わっています。
習いに行くと1回2時間程度のレクチャーですし、本やネットも詳しく理論までは載せていません。
結局基本を知ったまま終わっているため、美味しくなるための次の1歩がない状態なのです。
どんな分野もそうですが、基本は必須、重要です。
しかし、基本を知った上である程度次の知識や技術がなければやはり美味しいお茶を淹れるのは難しいです。
なぜ基本しか教えてくれないの?
結論から言うと基本を学ばなくては理論を知っても理解できないからです。
極論ですが、料理の説明をされたに【みじん切り】と言われても、包丁の使い方や包丁さえも知らなければ全く理解できません。
それと同じで、一度基本の淹れ方を知らなければ【急須の返し】や【茶葉の開き】など(一部の専門用語)を説明されても理解できないので、教える側が意図的に基本を教えることに注力しています。
もう一つは教える側が感覚でお茶淹れを上達させている場合です。
基本の部分は説明できますが、感覚の部分は自分自身もどう変わっているのかがわからないため説明ができません。
さらに、1杯のお茶を淹れるためにあれこれ考えながらはせず、身体に沁みついた動きを無意識に行っているため、いざ説明しようとしてもできない場合が多いです。
教えるのって意外と難しいです。
理由②その場所に合った淹れ方である
教えてくれた人がどこかのお店の人だった場合や、商品の袋に書いている淹れ方は、そのお茶に合った淹れ方の場合がほとんどです。
家と味が変わる最大の要因はこれ
お茶淹れに決まったマニュアルというのが存在しません。
しかし、それぞれのお茶に適した条件というものは存在します。
実はこれが家で上手くお茶が淹れられない最大の原因です。
つまり、教えてもらった現場と家とで淹れる条件に違いがあるということです。
特に大きいのは使っているお茶の違いです。
教えてもらうときに使うお茶に合わた淹れ方の条件になっているはずですが、家では違う種類のお茶を使っていることが多いです。(メーカーや産地の違いなども含む)
教えてもらったときに使ったお茶はうま味がしっかりあってコクがあったのに、家では全くうま味がなかったということが起こるのはこれが原因です。
極端な例ですが、家で使っているお茶がスーパーで買った安いお茶であれば【うま味】が出ません。
実際、教えてもらった通りにやればある程度美味しく淹れられているはずですが、多くの人はその味のギャップで美味しくないと錯覚します。
淹れ方を教えてもらったとき、使うお茶の重要性についてはあまり触れられません。
解決方法としては、教えてもらったお茶と同じお茶を使って家で淹れることです。
70℃でも80℃でも基本になる
なぜ教えてもらうときに70℃のところもあれば80℃のところもあるかというと、どちらも基本になりうるからです。
70℃で淹れたらうま味や甘味が感じられやすいお茶になり、80℃で淹れたら香りと苦味、渋味が感じられやすいお茶になります。
目指す味に対して淹れ方が決まってくるので、上で話た通りマニュアルが存在しません。
なので最初は混乱するかもしれませんが、あまり気にせず教わった通りの方法で淹れましょう。
理由③道具をそろえる
お茶が家で美味しく淹れられない理由の最後は、道具が揃っていないことです。
よくあるのが急須です。
以外かもしれませんが、お茶の味を決めるのに急須はとても重要です。
急須の形が変わるというのは、料理で普通の鍋と圧力鍋を使い分けるぐらいの差が出ます。
それだけお茶を淹れるのに適した形になっているのです。
現代は急須を持っている人が少ないので仕方ないのかもしれませんが、せっかく美味しいお茶の淹れ方を教わったのですから、家でも美味しいお茶が飲めるように最低限の道具は揃えておきたいところです。
ではまず何をすればいいのか
家で上手く淹れられない理由を知った上でまずあなたがやるべきことは3つです。
1、基本の淹れ方の条件を固定する(慣れるまで)
2、今の状況に適したお茶を選ぶ
3、道具を揃える
とりあえず基本をおさえといて
まずは教わった基本をある程度覚えます。
恐らく最初は教わった通りにやっているつもりが、茶葉の量が違ったり、お湯の温度が少しずれたりと失敗することがあると思います。
その失敗がなるべくなくなり、ある程度慣れたところで発展していきます。
教えてもらった時のことを思いだしてみてください。
恐らく基本として教えられている項目は次の6つぐらいだと思います。
・茶葉の量
・お湯の温度
・お湯の量
・蒸らし時間
・急須を返すかどうか
この基本をしっかり把握した上で最初は淹れる条件を固定してみてください。
浅蒸しか深蒸しか
浅蒸し茶と深蒸し茶のどちらを使っているかを把握しておく。
同じ煎茶ですが、淹れ方は全く違います。
場合によっては使う道具も変わってくるので、どちらで教わり家でどちらを淹れるかはしっかり把握しましょう。
茶葉の量
一人分 だいたい4~5g
少し濃い目にしたければ6g
お湯の温度
お湯の温度を把握していることでどんなお茶で教わっていたか、家で淹れるお茶がどんな味になるかをだいたい想像できます。
65℃~75℃で教わった場合 味がメインのお茶。
うま味や甘味が強く感じられやすいお茶になる。
80℃以上で教わった場合 香りがメインお茶
香りがよく、少し苦味と渋味が強く感じられるお茶
これを知っておくと、後々どんな味のお茶を淹れたいかを選ぶ基準ができますので便利です。
最初は「へ~そうなんだ」ぐらいでも大丈夫です。
お湯の量
一人分 約150ml
量り方は、最後に注ぐ湯呑に少し多めにお湯を入れたものを急須に入れるか、マグカップの半分の量です。
蒸らし時間
浅蒸し煎茶 45秒~1分
深蒸し煎茶 30秒~45秒
蒸らし時間は教える人によってかなり差があります。
お茶の味にも大きく影響しますのでかなり重要な要素です。
まずは固定で何秒蒸らすかを決めてしまいます。
慣れてきたら調整できるようになります。
急須を返すかどうか
これも教える人によって全然違います。
返す回数が多いほどお茶の滋味が強くなり、少ないと繊細な香りを楽しめます。
こちらも返す回数を最初は固定してしまっていいです。
・茶葉の量 4g 5g 6g
・お湯の温度 65℃ 70℃ 75℃(味) 80℃ 85℃(香り)
(味を重視するか香りを重視するかで決めます)
・お湯の量 150ml
・蒸らし時間 30秒 45秒 1分
(淹れるお茶によって変わりますが、1分がスタンダード)
・急須を返す or 急須を返さない
今の状況に適したお茶を選ぶ
美味しいお茶を淹れるためにお茶選びは大切です。
特に教えてもらったときと違う条件になりやすいのはお茶の種類です。
教えてもらったところのお茶を使う
例えばうま味の強いお茶で淹れ方を習った場合に、家のお茶が香りのいいお茶なら同じ淹れ方をしても上手くうま味が出せない場合があります。
お茶は非常に繊細で、条件が変われば味や香りが全く変わってきます。
最初はなるべく教えてもらった店、あるいは同じお茶を使うようにしましょう。
お茶の特徴や淹れ方の調整は徐々に慣れていく必要があるため、最初は真似をすることだけを考えてください。
本やネットで淹れ方を調べた場合
本やネットで情報を得た場合は、淹れるお茶の条件を絞っておくとよいです。
浅蒸しか深蒸しかを決める
本やネットで知ったときはまず浅蒸しか深蒸しかを決めてしまいます。
この二つは同じ煎茶ですが、淹れる条件が変わります。
なのでお茶淹れに慣れるまではどちらか一択で練習していく方がいいでしょう。
温度帯で味か香りを選ぶ
淹れる温度帯も決めてしまいます。
例えば、65~75℃あたりならうま味や甘味重視、80℃以上なら香りや苦味、渋味重視になります。
こちらも最初は固定で決めてしまって、少し慣れたらいろいろ試してみましょう。
なるべく道具をそろえる
お茶を教わるときに使ったと思います。
急須、湯冷まし、茶さじ、湯呑、この中で急須だけは必須です。
温度計、タイマーもあると便利
淹れ方の基本を覚えるために持っていた方が便利な道具です。
慣れてきたら普段のお茶入れではあまり使わなくなりますが、新しい淹れ方や淹れる条件を探すときに便利です。
僕も初めての地域のお茶を淹れる時にたまにつかいます。
発展するにはどうすればいいのか
お茶淹れに慣れてきてもっと上手くなるために必要なことです。
すぐには必要ないかもしれませんが、今後のために知っておいてもいいかもしれません。
方法は3つです
・専門書を読む
・このサイトから知識を得る
教わった人に聞く
淹れ方を教えてくれた人に聞くのが一番いいです。
どんな分野でもそうですが、ある程度長く向き合うことも大切になってきます。
なので教えてくれる知り合いを作ることは意外と重要かもしれません。
お茶を教えてくれる人は基本的に聞けば何でも教えてくれます。
以前基本を教わっているのでスムーズに次の段階を説明してくれますし、
何事も人に直接聞くのが一番わかりやすいです。
専門書を読む
専門書を読むことも大切です。
誰かに教わったこととネットで調べたことと本に書いている内容で同じこともたくさんありますが、逆に言えば共通しているということはそれだけ重要なことなので、そのポイントを把握するために良いかと思います。
書籍は多数存在していますが、1冊オススメするなら【日本茶のすべてがわかる本】がよいかと思います。
日本茶検定公式テキストですので、お茶の淹れ方だけではなく抽出時の成分の話や味の説明まだ幅広く掲載されています。
この本は専門書ですので、お茶淹れに関してかなり上達したい人向けです。
そのままお茶に興味を持てたら、アドバイザーやインストラクターの資格取得を目指してみてもいいかもしれませんね。
このブログから知識を得る
このサイトからも知識を得てもらえたらいいかなと思います。
お茶のことについて基本から応用まで細かく詳しく説明していきますし、
自分で言うのもなんですが、お金を払っても得られないような情報もたくさんあります。
全部無料なので、あなたのお茶淹れに是非役に立ててください。
必要に応じて本の購入やさらに習いに行くことも考えてみてください。
それまでは是非このサイトを参考にしてください。