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技術力で道具をカバーするのではなく、道具で技術力を底上げする

かつてお茶の技術を上げるために日々数百人規模の人たちにお茶を振舞っていた時の話です。
この出来事がなければ今の自分はなかったであろうと心からそう思います。

技術を向上するために道具の質を上げるというお話です。

私が当時所属していた会社で得た大切な教えになります。
もちろん、これがなければいけないという話ではありません。

あなたが同じような選択を迫られたときにきっと役に立つと思います。

目次

メリットで技術力を底上げする

結論から言うと、道具や環境をしっかり整えることを優先するということです。

一つの急須選びから始まった

日本茶インストラクターになる前、私は一日200~300人ぐらいにお茶を振舞っていました。
当時所属していた会社でお茶淹れを担当していて、上層部の方にもお淹れすることもしょっちゅうでした。
その関係から技術力の向上は必須でした。
しかし、あまり金銭に余裕もなく、お茶はそこそこのレベルでしたが、急須はそこまで高価なものを使っていませんでした。

とは言え使用するお茶は100g2000円以上のものは使っていました。
6年ほど前のことなので、日常のお茶としてはそこそこのレベルだったと思います。

道具のレベルを技術力でカバーするなと言われた

当時使っていた急須は1500円ほどのものでした。
湯呑も数百円程度でしょうか、飲むお茶の質さえ間違えなければ問題はないと思っていました。

そこで社長直々に言われたことがありました。

「お茶って、湯呑も含めて完成品じゃないの?」
「君はお茶淹れが上手だと思うんだけど、道具がよくなったらもっと力を抜いて淹れられるんじゃない?」

その後、会社の経費でしたが幹部クラスの使用する湯呑を買いに行くことになりました。

私は当時からお茶の仕事がしたい、お茶を生業に生きたいと話していて上層部はそれを知っていました。
ありがたいことに、上層部は私の淹れるお茶をとても大切にしてくださいました。
その関係で、アドバイスや意見をたくさんいただくこともでき、今では感謝しかないです。

その時社長直々に言われたことを今でも忘れず、私が誰かに教える際も伝えていることがあります。

道具のレベルを技術力でカバーするな、道具は君の技術力を底上げするために使え

社長はお茶関係の仕事されたことはなく、お茶に精通してい訳でもありませんでしたが、ある分野においてとても技術力のある方でした。
この考え方は、分野に関係なくどんなことでも共通していることだと、今では理解できます。

素材×技術を目指す

技術や知識がある人は、それを用いて完成品のレベルを上げることが出来ます。
例えば料理です。
食材が粗悪なものであったり、道具が最低限のものであればそれを知識と技術で、おいしく料理することはできます。
しかし、そこで料理のレベルを上げることは困難です。

なぜなら、素材の味や道具の良さを活かすことが出来ないからです。
しかしそれらが良いものであれば、素材×技術力がうまくかみ合い、より良いものが生み出せます。

成功者の発想ですが、誰にでもできること

当時そのことを教えていただいた社長は、まだ裕福でないころに同じ気持ちで仕事を立ち上げていたそうです。

他を削っても商売道具には金をかける

最初は大変かもしれませんが、自分が何かを極めていきたいのであれば何よりもその分野に愛情を注ぐべきだとおしえていただきました。
その愛情こそ、道具やそのほか使用するものにお金をかけるというものです。

道具にかける愛情はお客様に愛情を注ぐのと同じことで、良いものを使って良いものを提供することでお客様に喜ばれます。
ごくごく当たり前のことなのですが、当事者であるとどうしても気づけないのです。

私も、当時はその時の今に必死過ぎてそこまで気づくことはできませんでした。
でもそれでいいのです、誰かに良いものを提供したいという気持ちがあれば、いずれ気付くか気付かせてくれるきっかけが必ず訪れます。

そして気付いた時に自分のレベルで考えればいいのです。

段階を踏んでいつかは

もちろん段階を踏んでいくべきところではあります。
お茶を初めて一番最初から良い道具と良いお茶を揃えてもコントロールすることが出来ません。

道具の使い方も分からなければお茶の味も分からないからです。

最初から良いものを使っても、使い勝手の良さやお茶の味がわかりません。
もちろん、誰かからのお下がりやお店の道具などで良いものを使う場面もあるかもしれません。
そういった場合で例外もありますがそうでない場合は、最初に1000円程度の急須で初めて徐々に道具をよくしていく流れでいいのです。

私も当時社内ではありましたが、仕事としてお茶淹れをしていたため、人にお茶を淹れるという段階で必要になったのです。
必要な時に必要な変化をすればよいかと思います。

最後に

お茶を淹れる人も人それぞれ考え方がありますし、自分がどのレベルまで目指しているかにもよります。
もちろん安価な急須ではおいしいお茶を淹れられないわけでもなければ、それを使用することで技術力の向上を図れないわけでもありません。

ただ、使ってみることでわかることがあります。

私も、初めて8000円の急須を使用した時に感じました。
握りも、動きも今までと違い、使い勝手がよくお茶淹れのストレスが軽減されました。

あながもし、技術力を上げたいと思い、かつ急須を良いものに取り換えようと思ったなら迷わず変えてください。
おそらくお茶淹れが変わります。

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