
江戸時代後期に全国的に広まってった煎茶は現在日本全国で生産されています。
中には衰退してしまっている県も存在しますが、それでもまだまだ生産地域は
そんな煎茶を筆頭に今は緑茶が売れない時代だと言われています。
実際生産量も年々減少していて、ピーク時の半分以下の生産量となっています。
その原因は現代人のお茶離れとPETボトルの緑茶飲料が普及したことが大きな原因かと思われます。
しかし今の時代、皮肉なことにこのうま味がお茶の質を下げてしまっていることをご存知でしょうか。
このうま味がなぜお茶の質を落としているのか、少しお話しします。
うま味は無理やり作り出している
緑茶というのは昔から味わいのお茶と呼ばれてきました。
繊細な香りの奥から良質なうま味を感じる緑茶は、人々が毎日飲む飲み物でありとても贅沢なひと時を演出してくれる飲み物です。
しかし最近はPETボトルの緑茶飲料で十分だと感じられる時代になってきているのが現状です。
昨今PETボトルの緑茶飲料も研究開発が進められ、各段においしくなりました。
しかし、現在の技術ではお茶の特性上どうしても表現できないものが2つあります。
それは
PETボトルの緑茶飲料は手軽でおいしい、これに勝るものはないかもしれません。
現代のスピード感のある生活には
しかし急須で淹れるお茶には驚くような付加価値があります。
それは深く繊細な味わいと、リラックス効果をはじめとする驚くほど多くの健康効果です。
急須で淹れることの難しさと、手間という問題は現代の生き方にはアンマッチなのかもしれませんが、そんな時代だからこそ急須の良さに気づいていくべきだと私は感じます。
お茶を飲むことから生まれるリラックスする時間、心の余裕は現代人が失いかけている生きることに必要不可欠な要素であると感じます。
お茶離れの原因に
脂ののったおいしいお茶はもう十分
緑茶にはうま味成分の【テアニン】という成分が豊富に含まれており、脳をリラックスさせてくれます。
その効果は絶大で、集中力の向上や脳に関する疾患に作用することでも知られています。
正確には人の手を加えることで含有量を増やしているということですが、自然に育った状態ではありえないほど含有量が増加します。
もちろん、リラックス効果としてのメリットは絶大であるため、いい面は大きいです。
しかし、テアニンが多く存在することで味わいに大きな影響を与えます。
テアニンを増加させたわけ
うま味というのは口に入れた瞬間、とても印象に残る味覚です。
ファストフードを口にしたとき、瞬間的においしいと判断するためいくらでも食べれますし、また食べたくなるという一種の麻薬効果みたいなものを生み出します。
これがお茶の味にも当てはまります。
いつしか消費者も生産者も緑茶にはうま味がたくさんある方がいいというイメージを作り上げてしまいました。
うま味がある事でリラックスはできますし、単純に美味しいのでそんなお茶を飲みたくなるという流れが生まれました。
うま味の強いお茶はとても美味しいです。
しかし、だんだん体が受け付けなくなってしまいます。
イメージは高級な脂ののった肉を毎日食べるようなものです。
こうした理由もお茶離れの一つになります。
お茶は日本人の生活になくてはならないもので、毎日飲むことが当たり前でした。
しかし、いつしかPETボトルの緑茶飲料が日々のお茶となり、急須で淹れるお茶は贅沢品へと変わっていってしまったのです。
化学肥料のせいでお茶には体力がない
お茶に体力がないとはどういうことでしょうか。
化学肥料を大量に投入して栽培されたお茶はうま味こそあるものの、お茶の木自体はすごく弱っている状態になっていることがほとんどです。
しかし、うま味を作るために行う工程が畑の寿命を短くし、お茶の木も劣化させてしまうのです。
緑茶は栽培中に窒素肥料という化学肥料を畑に撒くことで大量のうま味を作り出すことができます。
植物は無機質を栄養素に変えることの出来る生物です。
自然界では少ない栄養素を求めて土深く根を伸ばし、強くたくましく成長していきます。
しかし、植物は肥料を投入することで根を伸ばすことをやめてしまい、狭い範囲の栄養素しか吸収しなくなります。
なぜなら、わざわざ根を伸ばさなくてもそこに栄養素があるのですから当然です。
しかし化学肥料をまくことで、土に存在する微生物が減ったり、pHを下げてしまうことで、茶の木がうまく成長できなくなります。
成長できなくなるというより、成長することをやめてしまうのです。
さらに、化学肥料を投入した土からは栄養素はほぼ消えてしまいます。
するとまた大量の化学肥料を撒くことになってしまうのです。
その結果、茶の木はどんどん弱体化してしまうのが現状です。
人間に例えると、栄養ドリンクを飲ませて無理やり運動させているようなものです。
栄養ドリンクを飲んですぐは元気ですが、時間がたつとすごくしんどくなります。
茶の木にも同じことが起こっています。
うま味はよく出ますが、その他の味や香りは驚くほどにすぐになくなってしまいます。
いいお茶は香りが消えない
緑茶は開封してから概ね1か月程度で飲みきる必要があります。
その理由は香りがとんでしまうからです。
古くなった緑茶はのりのような香りがしてきます。
決して飲めなくなるわけではないですが、あまり美味しくない場合が多いです。
そしてもう一つは、3煎目を淹れるとお茶の香りが消え、半分お湯のようになります。
開封して1か月たってもフレッシュな香りが持続し、3煎淹れても4煎淹れてもしっかりとお茶の香りがします。
そして本当にうれしいのは、土の香りがします。
驚くことに、未開封であれば賞味期限が3年4年と過ぎても、開封した時に香りが残っています。
残っているというより、お茶の香りがしっかり生きています。
これは残念ながら有機栽培でしか実現することが出来ません。
有機栽培で手間をかけて育てられたお茶は、自然の摂理を大切にしながら有機肥料を加えてて丁寧に育てます。
時にお茶自身に頑張ってもらいながら栽培することで、本来お茶が持つ味がしっかり出るようになるのです。
このような良質なお茶はあまり多く栽培されていません。
とても手間がかかるので、行っている農家が少ないのです。
でも、こんなお茶がめちゃくちゃ高いかと言われたらそんなこともありません。
100g1200円ほどと、通常のお茶とほとんど変わらないのです。
改めていいお茶とは
いいお茶とは、うま味が強くある高級なお茶もいいお茶ではあります。
テアニンという成分によるリラックス効果は、現代の私たちにとてもよい影響を与えてくれます。
一方で決してうま味は強くないけれど、自然の香りがしっかりとあり、その深みのある味や香りからはお茶の生命力が感じらるお茶もまたいいお茶です。
自然に育ったお茶というのは人の身体にものすごく馴染みます。
その結果、より健康になれるのです
そういったお茶を交互に飲めたらベストなのだと思います。
お茶の本当の味とはまさに化学肥料など一切使わずに、半分は自然に任せてのびのびと育った結果味わえるものです。
なぜなら、もともとは大自然の中で育ってきた植物なのですから。

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