浅蒸し煎茶と深蒸し煎茶、どうしてお茶は蒸されるの?
熱を加えることが必要なら、蒸す以外の方法でもいいのでは
こんな疑問をお持ちでないですか?
お茶は、蒸すことで最大限の恩恵を受けることが出来るんです👍
緑茶は摘まれた後すぐに蒸すという工程により、熱をくわえられます。
この工程がなければ緑茶を飲むことが出来ません。
なぜ蒸すことが必要なのか、蒸すことの素晴らしさをお話します。
今日のお話
・蒸すことについて
・緑茶に蒸す工程が必要な理由
・蒸すことで生まれた緑茶を飲む以上のもう一つの楽しみ方
蒸すという方法は奇跡の調理方法
蒸すことのメリット
蒸し料理というものがありますが、実はとても画期的な調理方法なのです。
なぜ?
蒸し料理は非常にシンプルでありながら、食材の質を最大限に保つことのできる方法です。
時間も短縮しながら、食材を高品質で食べることのできるまさに画期的な方法です。
蒸し料理ほど栄養摂取効率のよい方法はない
蒸し料理は素材の栄養素を壊すことなく摂取することができる最良の方法です。
理由
1.加熱時間を短くできるため、熱による栄養素の破壊が抑えられる
2.水分による栄養素の流出を防ぐ
栄養素の中には加熱時間が長くなることによって、壊れてしまうことがあります。
防ぐ方法は、加熱時間を短くすることですが、焼いたり煮るなどの調理方法はどうしても加熱時間が長くなります。
また、ほかの水分による栄養素の流出を防ぎます。
カレーやスープにして丸ごと摂取できる場合はいいですが、茹でるなどの熱を加えるためだけに使用される水分には栄養素が流出します。
天ぷらは蒸し料理
てんぷらは揚げ物だと思われがちですが、れっきとした蒸し料理です
食材と衣の間に水蒸気が発生し、瞬時に蒸されます。
素材の風味も損なわず、栄養素もしっかりとれる上、衣の香ばしいアクセントが究極の料理を生んだと言えます。

蒸すとはなにか
凝縮潜熱による水蒸気のパワー
蒸気は物質に付着して水に戻るときに凝縮潜熱が発生します。
この熱量が非常に大きく、蒸気が付着した場所に一瞬で熱を通すことが出来ます。
沸騰したお湯から湧き出る湯気を沸騰したお湯の水面近くでは触ることが出来ません。
それが凝縮潜熱の力になります。
熱伝導の効率がよく、加熱時間が短い
蒸気は蒸気の状態のままであれば、熱を発しません。
物体に触れた瞬間に熱を発生させます。
蒸気が触れた場所は、一切むらなく熱を加えることが出来ます。
蒸気が発生し続けている状態であれば同じ温度の熱を加え続けられるため、効率がよく、時間も短くて済みます。
表面を傷つけず、香りなども損ねない
熱を加える際、フライパンを使用すればフライパンの表面に接している部分は何らかの損傷があります。
煮込むなら別の食材や調味料の味や香りの影響を受けます。
しかし、蒸すという調理方法はそのどれにも当てはまらず、食材が形を変えない状態で熱を加えることが出来ます。
これこそが、蒸すことの最大のメリットであり、食材本来の風味を最大限に楽しむことができる画期的な方法であると言われる所以です。
調味料やスープなどの味付けがない分料理としては面白みに欠ける部分もありますが、食材の持ち味と栄養素を最大限に得ることが出来るとなれば素晴らしいと言わざるを得ないと思います。
ひと手間かかりますが、蒸した食材を料理に応用すれば料理としても頼むことが可能です。
お茶はなぜ蒸すのか
緑茶は摘まれてからすぐに蒸す必要があります。
この工程がなければ、緑茶を緑茶として飲むことが出来なくなります。
何故蒸すことが必要なのか、解説します。
殺青
お茶は摘まれてからすぐに蒸す工程に進みますが、これを【殺青(さっせい)】といいます
殺青(さっせい)
お茶は摘まれてから時間が経つと、酵素が反応して酸化発酵を進めてしまう。
この酸化発酵は、香りや栄養成分を変化させ、お茶の品質を変化させる。
緑茶を酸化発酵させたものが、烏龍茶や紅茶です。
風味を壊さない
蒸し料理と同じで、お茶も蒸すことで風味を壊さずに熱を加えることが出来ます。
緑茶は栄養成分もそうですが、香りがとても豊かな植物です。
蒸すことで香り成分も最大限残すことが出来ます。
釜炒り茶も蒸し
宮崎県や熊本県など作られている釜炒り茶も実は蒸されています。
【炒り蒸し】
摂氏200℃の釜で急激に熱を加えらることによって、茶葉から水分が蒸発します。
この水蒸気を逃がさないように茶葉をかけるように回し炒り、蒸気を用いて殺青しています。
釜で炒ることで蒸気を発生させているため、釜に接した表面には【釜香】という独特の香りが付きます。
緑茶は飲むだけではない、蒸すことで得られたもう一つの魅力
飲んだ後のお茶の葉を食べる

急須に残った茶殻は、食べられます。
食べ方
なぜ食べられるのか
摘んでからすぐに蒸されているので、乾燥状態ではありますが一度火は通ってる状態です。
お茶を淹れることで、乾燥茶葉がお湯で戻されたイメージです。
触感はゆでたほうれん草、風味は今までにない
食感はゆでたほうれん草のようで、食べやすいです。
新茶であればあるほど茶葉はやわらかくなり、より食べやすくなります。
風味はこれまであまり口にしたことのない新感覚です。
フレッシュな香りに程よく苦味が感じられる、毎日でも食べたくなる味です。
茶葉は栄養の宝庫
茶葉を食べることで栄養を丸ごと摂取できる
実は
そこで、急須に残る茶葉を食べれば100%摂取できます。
茶葉の中には、食物繊維やベータカロテンなどもともと抽出されにくい成分もありますので、それらもすべて摂取できます。
お勧めは有機栽培のお茶で、浅蒸し煎茶
注意
どのお茶の茶葉もおいしいですが、個人的にお勧めは有機栽培のお茶です。
理由
茶殻を食べたとき植物本来の香りが有機栽培の方がわかりやすい
まず茶殻を食べるときは、浅蒸し煎茶を選びましょう。
そのうえで有機煎茶がおすすめです。
有機栽培の茶殻はより自然な味わいがあります。
苦味も強くないので、どんな食べ方をしても癖がなく楽しめます。
お勧めです
おわりに
いかがでしたでしょうか
蒸すという調理方法のすごさ、知っていただけましたでしょうか。
やはりシンプルなものが一番いいのかもしれませんね。
お茶は味、香り、栄養素から製造工程まであらゆるものに恵まれた奇跡の食品です。
是非楽しんでもらえたらと思います。
素晴らしきティーライフを。

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