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お茶の食育から学ぶ【いただきます】の本当の意味、日々の食事に感謝

お茶に携わると食育という言葉を耳にすることがあります。
お茶だけに限らず大切な考え方ですが、お茶の性質上食育に向いている部分があります。

食育とは何かと言いますと、味覚を発達させるということです。

しかし、それとは別の観点からの食育について【いただきます】という言葉からお話していきたいと思います。

目次

食育とは

後天的に得られる味覚を鍛えること

人が後天的に覚える味覚があります。
うま味や渋味がそういった味覚になります。

このうま味というのは、食によって発達しなければ感じることのないまま人生を終わることもあります。
欧米では、うま味を知らない人が多数いらっしゃいます。

このうま味や渋味がお茶には含まれています。
そのため、お茶は食育にいいと言われるのです。

滋味を感じることで素材の風味を感じる

お茶の滋味についてです。
お茶が本来持っている香りや味のことで、素材の味と言われるものです。

私たちの食卓は、食材が調理され味付けされた料理が並びます。
その味付けには、塩や醤油といった調味料からソースやドレッシングと多種多様なものが使われます。

こうした味付けの味ではなく、肉や野菜の持つ本来の味や香りを感られるように、お茶を飲むことはとても有効なのです。

特に現代人はコンビニやファストフードといった味付けの濃いものを多く食べる機会があります。
こうした食事は私たちの味覚を著しく低下させます。

これを緩和するためにもお茶を飲むことは非常に有効な手段となります。

いただきますは命への感謝

さて、そんな食育に関わっていると、本当に大切な食育とは何かを教わります。

それが【食材に感謝する】ということです。
僕は料理人でもなければ漁師でも農家でもありません。
食に携わる事と言えば、出来合いの物を食べるかお茶を淹れるぐらいです。
しかし、食に携わるものとして絶対に忘れてはいけないこと、それは、【いただきます】の本当の意味です。

農家や漁師はみな同じように感謝している

とある農家の方が、野菜一つも命であると教えてくださったことがあります。
その命に感謝することを教えるのも食育の一つだと改めて感じさせてくれました。

食事というものが生きる上でとても重要であり、多くの命をいただくことに感謝
これこそが【いただきます】の本当の意味だとそう感じます。

現代の日本人は食べたいときに何でも食べることが出来る、お金さえあれば飢えることはほとんどありません。
これは、戦後に我々が二度と飢えることのないようにと作り出された食の流通システムのおかげ、先人たちが作り出してくれた現代人への贈り物です。
当然感謝すべきものですし、これからも多いに利用させていただくことになります。

そんないつでも簡単に食事がとれてしまう素晴らしい時代に、忘れがちなのが食事への感謝です。

料理人ですら忘れてしまいがちな気持ち

中東久雄という料理人の話ですが、料理人は食材をさばくときに命への感謝を心に刻むと言います。
命をいただいているという感謝の気持ちが、料理をする上での最低限のマナーであると教えてくれました。
だからこそ、食材は生きたままのものを使うことがいいと言います。
この心は先ほどの農家さんも同じでした。

しかし現代の料理人の中には、食材がある程度処理されたものを使う人が増えているようです。
何年も土のついた野菜を見たことがなかったり、魚の鱗取りをしていないという料理人がざらにいるそうです。

料理の作り手が命への感謝を忘れてしまえば、その料理に価値がなくなってしまうとまで言われます。
作る側も食べる側も一貫して食に感謝することで初めて料理に価値が生まれるのです。

人生を教えてくれる人ほど命を大切にしている

あらためて【いただきます】と言う言葉についてですが、命をいただく事への感謝の意だと教えてくれました。

歴史を見れば、謙譲語が変化したもであるとされていますが、本当はそんなことではなく、すべての物への感謝の言葉です。
食材への感謝、料理への感謝、携わった人たちへの感謝などの気持ちを込めた言葉なのです。
だからこそいただきますと言葉に出した以上は残さずすべてを食べきらなければならない、当たり前のことですがとても重たい教えでした。

食事といのは上に立つ人や、人生を豊かに生きている人ほど大切にしています。
こういう基本を教えてくれる人に出会ったらとてもラッキーだと感じます。
基本だと思っていることこそ普段忘れがちですから。

お茶を飲む習慣は食事を大切にすることの習慣のはじまり

結局何が言いたいかというと、お茶を飲むことで改めて食事の大切さを感じることができるということです。

たった一言、【いただきます】を意識しただけで目の前の料理がとても貴重なものに見えてきます。
するとその料理を良く噛み締めて味わいたくなりました。

大げさかもしれませんが、食事に対しての意識が変わると本当に人生が変わります。

良く味わうことで今まで気づけなかった感動に気づくことができます。
食事のたびに新しいものが発見出来たら、毎日が楽しくなります。
なるべくいいものだけを口にしたいとも思うようになります。

身体は食べたもので作られますから、食事の質が変われば日々の動きも変わり、人生も自然に変化していきます。

これこそが、お茶によ最大の食育ではないかと思います。

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