お茶を熱湯で淹れたら苦くなって飲めない。
時間短縮のために沸かしてすぐに淹れたいけど、そんな方法はある?
熱湯でおいしいお茶、淹れられます👍
お店でお茶を飲むと美味しいのに、自宅で淹れると美味しくない最大の理由はお湯の温度です。
お茶を淹れるときの適正温度は70℃~80℃です。
しかし、これは一般的な話で、好みなども加味して考えた場合、適正温度は存在しません。
お茶は、熱湯でもおいしく淹れられます。
今日の話
お茶を熱湯で淹れるために必要な知識と考え方
お茶を熱湯で淹れたときの見極め方と抽出時間の目安
お茶を熱湯で淹れたときのメリットとデメリット
お勧めの熱湯で淹れられるお茶
それでは行きましょう。
緑茶を熱湯で淹れるために必要な知識と考え方
最初に結論を言っておきますと、緑茶を熱湯で淹れる場合、カフェインとカテキンの抽出量を抑える必要があるため、蒸らし時間を極端に短くすれば熱湯でもおいしく淹れられます。
温度によって抽出される成分のバランスが変わる
緑茶には主成分として以下の
適正温度言われる70℃~80℃で抽出することによって、上の栄養成分がバランスよく抽出されます。
ところが、温度が70℃以下あるいは80℃以上にずれていくと栄養成分の抽出のバランスが崩れ、味の変化がみられるようになります。
温度が高ければ高いほど、カテキンとカフェインが多く抽出される
温度が高ければ高いほどカフェインとカテキンが多く抽出されます。

上の図は温度によってそれぞれの成分がどのように抽出されるかを表しています。
カテキン(タンニン)とカフェインが温度90℃付近でほぼ100%抽出されています。
それに対してアミノ酸は90℃付近でもおよそ70%までしか抽出されていません。
つまり、温度が高ければ高くなるほど、カテキンやカフェインの抽出量が他の成分の抽出量を上回っていくということになります。
苦味と渋味は強く出る
100℃前後で抽出させた場合、カテキンやカフェインの抽出量がアミノ酸の抽出量を上回るため、苦味や渋味が強くなります。
もう一つの理由として、人間の味覚というのは毒物を検知する能力として、苦味や渋味を感じやすい傾向にあります(個人差あり)
そのため、仮にカテキン、カフェイン、テアニン、アミノ酸の抽出量が同じでも、味としては苦味と渋味が目立つようにになってしまいます。
カフェインとカテキンの抽出量をコントロールする
結論としては、熱湯で淹れる場合、カフェインとカテキンの抽出量を抑えてあげれば美味しく淹れることが出来ます。
抑える方法は、蒸らし時間を極端に減らすことです。
熱湯でのお茶を淹れるときの見極め方と目安
熱湯でお茶を淹れる場合に気を付けることは2つ
茶葉の開き具合を気を付ける
お茶を淹れる際、茶葉の開き具合を見て味を調整することが出来る。


6から7割の開き具合
拡大(左6割から7割、右全開)
茶葉の開き具合で成分の抽出量が変わります。
通常煎茶のような緑茶は、三煎目(同じ茶葉で三杯目)ぐらいまで淹れ、その三煎で栄養成分を分ける形になります。
なので、一煎目は6割~7割、二煎目で8割5分、三煎目で10割ぐらいのバランスで淹れ切ります。
熱湯で淹れた場合も、同じように考え、最初の一煎目は6割ぐらいの開きにできればちょうどいい味わいになります。
この開き具合は、ご自身の感覚にもよるため、一度基準を作るために10割、7割、5割、と淹れ比べてみてください。
抽出時間を短くする
抽出温度が高くなればなるほど、茶葉は早く開き、栄養成分の抽出が早くなります。
熱湯で淹れる場合、抽出時間を短くすることがカギになります。
急須にお湯を注いでから20秒以内に注ぎ切る
70℃前後だと約1分ほど待ってから湯呑に注ぎますが、熱湯の場合はおおむね15秒ぐらいで注ぎ始めます。
熱湯の場合は、注いでいる間も抽出がかなり進むので、注ぎ切るまででに20秒かかるぐらいの目安にすることをお勧めします。
ただし、お茶の種類にもよるため、茶葉の開きを見ながら淹れるようにしましょう。
お茶を熱湯で淹れたときのメリットとデメリット
緑茶を熱湯で淹れることで起こるメリットとデメリットを紹介します
メリット
・香りが利くようになる
・カテキンの摂取量が増えるため、健康効果は上がる
お湯の温度が高くなると、香りがよくなります。
さらに、カテキンの抽出量が増えるため、健康効果としてはとても有効になります。
デメリット
・カフェインの抽出量が多いため、寝る前に飲むと睡眠妨害になる
・甘味やうま味はほとんど感じない
熱湯で淹れるとカフェインが多く抽出されるため、寝る前に飲むことはあまりお勧めできません。
仕事や勉強などの前はお勧めです。
熱湯で淹れるお茶は、香りはとてもよくなりますが、甘味やうま味を感じ取るのが難しくなります。
熱湯で淹れられるお勧めのお茶
ほうじ茶
番茶
釜炒り茶
有機煎茶
おわりに
いかがでしたでしょうか。
お茶淹れで熱湯はタブーとされていますが、工夫次第でどうにでもなります。
こうしていろいろな条件でお茶を淹れられることで、どんなお茶でもおいしく淹れられるようになっていきます。
熱湯で淹れるのは少しコツがいりますが、一度覚えてしまえば淹れられます。
それではよきティーライフを。

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