蜂蜜ってどうして赤ちゃんが食べてはいけないの?
よく知られた事実ですが、いったいなぜなのでしょうか。
蜂蜜は奇跡の食べ物です。
栄養価も高く、毎日続けるべき食品の一つです。
そして何より、腐りません。
そんな蜂蜜の秘密、効能、選び方まですべてお教えします。
栄養効果や、赤ちゃんが食べてはいけない理由まで盛りだくさん。
今日はお茶から少し離れて蜂蜜の世界へようこそ。
・蜂蜜の魅力
・なぜ赤ちゃんは食べちゃだめなの?徹底解説!
・蜂蜜はなんで腐らない?
・蜂蜜が好きになる楽しみ方
蜂蜜とは
蜂蜜とはミツバチ↓が、花から集めてきた花蜜を巣で貯蔵し、水分を飛ばしたものです。

なぜ蜂蜜を作るのか
蜂蜜はミツバチが自分たちの食糧や幼虫のえさのために作り出します。
面白いのは、ミツバチの巣はミツバチ達が自分たちで蜂蜜を食べて生成される【蜜蝋】という物質でできているということです。
生活に必要なものはすべて蜂蜜でできている、まるで天然のお菓子の家ですね。
蜂蜜の等級
蜂蜜には等級が存在します。
・純粋蜂蜜:ミツバチの巣から取り除かれたままの純粋なもの
・精製蜂蜜:純粋蜂蜜から臭いや色を取り除き白色化させたもの
・加糖蜂蜜:純粋蜂蜜に糖分や添加物を加えたもの
純粋蜂蜜は特に加工がされておらず栄養価もかなり高いです。
加工による品質
生絞りと遠心分離処理
蜂蜜は蜜蝋と呼ばれる、いわゆる巣の部分から蜜を取り出します。
その際に遠心分離機を使用する方法を【遠心分離処理】といいます。
分離された蜂蜜をフィルターにかけて完成です。
これに対して遠心分離をかけずに直接手で絞る方法を【生絞り】と言います。
【生絞り】にすると、濃厚かつローヤルゼリーの成分が入るのでとても高価です。
加熱処理蜂蜜
蜂蜜はミツバチが4日ほど羽を羽ばたかせて水分を飛ばし、完成します。
これを「完熟」と呼んでいます。
多くの養蜂家はこの「完熟」を待たずして蜂蜜を採取し、人工加熱によって水分を飛ばす方法をとります。
その理由は蜂蜜の原料の花が咲いている期間が限られるため、その期間内にたくさんの蜂蜜を作ってもらうためです。
加熱処理を行うと下記のことがおこります。
日本の蜂蜜の99%以上は加熱処理をされています。
理由はコストダウンです。
味的にはエグ味が出て、香りが変わりますが純粋蜂蜜の中では安価です。
まとめると
選ぶときは非加熱処理のはちみつを選びましょう。
ちなみに はちみつは殺菌工程がない
理由
蜂蜜は糖度が高いことと、酸性である事に加え、過酸化水素が酵素として含まれているため微生物の増殖を抑えます。
外からの微生物の侵入も防いでくれます。
蜂蜜は糖度が80%もあり、ほとんどの微生物は糖度が高い環境下では増殖をすることができなくなります。
蜂蜜と言えば有名なボツリヌス菌も実は蜂蜜内では増殖できないのです。
蜂蜜の魅力 花の数だけ味の種類がある
ここからは蜂蜜の魅力です。
蜂蜜の瓶にレンゲや桜などと書いてあるのをご存知ですか?
これは単純にその蜂蜜が記載されている花の蜜で蜂蜜を作ったという意味です。
蜂の面白い習性
蜂蜜はミツバチが花から集めた蜜そのものです。
花は季節や場所によって変わりますが、実は同じ巣の蜂は同じ種類の花から蜜を取ります。
これはミツバチが持つ習性で、養蜂家はこの習性を利用してたくさんの種類の蜂蜜を作ります。
花の種類もあらゆるものがあります。
桜、レンゲ、リンゴ、ミカン、シナの木、蕎麦、モチノキなどなど、、
年によって花蜜の取れる量が違うので、ミツバチが蜂蜜を作る際に一種類の花では足りない時は、別の種類の花蜜をとってくるそうです。
そうしていくつかの種類の花で作られた蜂蜜は【百花蜜】と呼ばれます。
ミツバチも臨機応変に動くのです。

蜂蜜の豊富な栄養効果
蜂蜜は古くから薬としても利用されていたほど抜群の栄養効果があります。
グルコン酸がビフィズス菌の増殖を促す
あわせて読みたい免疫力向上につい

ビフィズス菌
頑張りたいとき、ダイエット効果にも
果糖とブドウ糖は吸収がよくすぐにエネルギーになります。
特に脳のエネルギー源であるブドウ糖が豊富に含まれているので、仕事や勉強の前に取ると効果的です。
蜂蜜に含まれる糖類はすぐにエネルギーに変わるため、太りにくいです。
美肌効果、肌に塗ると美容の効果も
蜂蜜にはカリウム、カルシウム、亜鉛などのミネラルや美容に関係するポリフェノールが豊富に含まれているので、美肌効果が期待できます。
また、蜂蜜には保湿力があり、肌に塗るとすべすべになります。
さらに抗菌作用があるので、炎症部分などに塗るのもよいとされています。
マヌカハニー
マヌカハニーとはニュージーランド原産の【マヌカ】という木の花蜜から作られた蜂蜜です。
栄養価も高く、優れた抗菌作用がある事から感染症にいいとされています。
特にマヌカハニー特有の成分【メチルグリオキサール】が高い殺菌効果を生みます。
ピロリ菌などの悪玉菌にも効果があるので、整腸作用にはかなり効果的です。
現地の人はその効果を期待し、煮詰めて飲料として飲んでいました。
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乳幼児が蜂蜜を食べられない理由
1歳未満の乳幼児に蜂蜜を食べさせてはいけません。
これはボツリヌス症というものが発症し、最悪の場合死にいたるからです。
なぜ食べさせてはいけないのか、詳しく説明します。
ボツリヌス菌に負けてしまうから
1歳未満の乳幼児は腸内環境が整っていないのでボツリヌス菌に負けてしまうからです。
ボツリヌス菌は、蜂蜜の中では増殖せずに休眠状態にあります。
その状態で体内に入り、腸内で増殖し始めます。
ある程度増殖をしたのち毒素を産出します。
この毒素がボツリヌス症の原因です。
成長し腸内環境が整うことでビフィズス菌が力を発揮するようになります。
そうなるとボツリヌス菌は腸内で増殖できなくなります。
簡単に説明しますと
ボツリヌス菌が蜂蜜にいる理由と発症メカニズム
ボツリヌス菌は土壌や河川など、もともと自然界に広く存在する菌です。
そのため、大自然を飛び回っているミツバチに付着して巣に持ち帰ることはごく自然なことです。
ではなぜそこで毒素を出さないのか
ここから少し専門的な話になります。
ボツリヌス菌は偏性嫌気性菌と呼ばれる菌で、酸素がある状態だとあまり増殖することが出来ません。
そのため自然界であまり増殖することもなく、ミツバチの巣の中でも増殖しません。
では蜂蜜の中はどうなのか?
蜂蜜は密閉されると嫌気状態、つまり酸素がない状態なので増殖しがちかと思いきや、糖度という
もう一つの壁があります。
実は微生物が糖度の高い環境では増殖できないのです。
ボツリヌス菌も例外ではなく、蜂蜜の中では増殖できません。
ただ厄介なことに死滅はせず、休眠状態で潜伏した状態なのです。
この休眠状態が、乳幼児の腸の中で解除されて増殖します。
しかし、腸の中にビフィズス菌がいると休眠状態が解除されず、増殖できずに終わります。
簡単に説明しますと
余談ですが、コアラは赤ん坊の時はユーカリの葉を食べることが出来ません。
乳離れをした後、母親の糞を食べて腸内にユーカリの毒素を分解する微生物を伝達してもらうのです。
どんな動物も生まれたばかりの時は何もできないのです。
免疫力は母の協力のもと、成長に伴い培われていくのですね。
蜂蜜に賞味期限はない
蜂蜜が腐る場合がある
本来腐らない蜂蜜が人的要因によって腐らせることがあります。
要因製造時
・純粋蜂蜜ではない蜂蜜
純粋蜂蜜は糖度が80%、水分が20%、そこに酵素などが合わさってできています。
この配合こそが微生物が生育できない、カビさえも生えることができない完璧な環境なのです。
純粋蜂蜜ではない蜂蜜は、蜂蜜に砂糖水などの添加物が配合されているため、微生物が生育できない環境が崩れてしまいます。
そのため、腐敗が進んでしまいます。
・加熱工程を経た経て生産された蜂蜜
蜂蜜を加熱する場合の理由以下の2つ
1・自然の完成を待たずして蜂蜜を採取し、次の蜂蜜を作ってもらうため
2・不純物を除去するためのフィルターを通しやすくするため
いずれにしても、加熱処理をすることで蜂蜜を守酵素が破壊されるなどの懸念が発生します。
味や栄養素も落ちるため、非加熱処理の蜂蜜がおすすめです
・蜂蜜を使って作られた食品
蜂蜜は熱を加えると酵素や栄養素が破壊されます。
そしていろいろな材料と混ざり合うため、本来の殺菌、抗菌効果は失われます。
ただ程度にもよりますが、蜂蜜を使った食品が多少なりとも腐りにくくなるという報告はあります。
いずれにしても、その日に作ったものはその日中には食べきってしまうようにしましょう。
要因 自宅
・一度口に入れたスプーンや、何かに触れたすぷーなどを蜂蜜にいれる
蜂蜜に一定以上の量の遺物が混入してしまうと、殺菌。抗菌効果を阻害する恐れがあります。
ありがちなのは、一度口に入れたスプーンを蜂蜜に入れてしまうことです。
口内には、酵母などの微生物が多く生息しており、酵母は食物を変異させてしまいやすい微生物になります。
一度や二度で変異することはないと思いますが、積み重ねにより腐敗に近づきます。
蜂蜜をよそう時は清潔なスプーンなどをご使用ください。
・水などの水分が混入してしまう
容器のふたを開けている以上、完璧に混入を防ぐことは難しいですが、入ったとわかるぐらいの量だとあまりよくありません。
微生物の増殖で一番怖いのは水分値の変化です。
糖度80%、水分20%のバランスが崩れた時点でその蜂蜜は微生物の増殖が可能になります。
・高温多湿など、環境の悪いところに放置したり、ふたを開けっぱなしにする。
蜂蜜に賞味期限はないと書きましたが、高温多湿などの劣悪な環境下では風味が落ちるなどの変化はあります。
蜂蜜が黒くなるなどの色の変化もありますが、食べれなくなるわけではありません。
以上が蜂蜜を腐敗させる要因です。
ただ、要因に当てはまることをしたとしても、毎日一定の量を食べるであれば腐敗する前に食べきってしまうことがほとんどです。
ちなみに
古代エジプトの墳墓(墓)蜂蜜を発見 食べられる状態だった
1913年年にエジプトでおよそ3300年前の蜂蜜が発見されました。
その蜂蜜は驚くほど変質していなかったということです。
また、2015年にもおよそ3000年前の蜂蜜が発見されています。
こちらも食べられる状態でした。
古代文明の蜂蜜が3000年の時を経て現在でも食べられる状態であるということに、驚く以外の何物でもありません。
これこそが自然界の脅威ではないでしょうか。
賞味期限などという議論はミツバチに失礼かもしれません。
蜂蜜を食べよう
蜂蜜の楽しみ方を紹介します。
パンに塗ってもお菓子に使っても、何をしても美味しい蜂蜜。
あえて紹介する必要もないかもしれませんが、一応僕の楽しみ方を紹介します。
ちなみにあまり知られていませんが、蜂蜜は金属に触れると変質してしまうので、ハニーディップというものを使う方がよいです。
購入当時の瓶よりハニーポットに移した方が品質を損なわず長持ちさせることが出来ます。。

食べ比べ
蜂蜜は花の種類だけ味が存在します。
同じ蜂蜜だろうと思うかもしれませんが、実際味の違いに驚きます。
蜂蜜が嫌いでなければ一度食べ比べてみてください。
恐らく蜂蜜にもっと興味がでてきますし、こういう興味から食が楽しくなります。
味覚を鍛える、嗜好品については下記記事をご覧ください。

蜂蜜の最高峰
蜂蜜がお好きな方は絶対通ってほしい蜂蜜、それが日本ミツバチの蜂蜜です
国産の非加熱蜂蜜ですら全体の数%もないというのに、そのうえでさらに少ない蜂蜜が
日本ミツバチの蜂蜜です。
国産の蜂蜜の多くは西洋ミツバチという海外育ちのハチを使います。
日本の厳しい冬を越すために致し方無い処置ではありますが、これをすることで蜂蜜の質が下がってしまいます。
しかし、日本ミツバチの養蜂家はハチに餌を与えることをしません。
そのため、混ざり毛のない真の純粋蜂蜜が作られるのです。
日本ミツバチの蜂蜜は量がそこまで採取できないため、価格が高くなってしまうのが難点です。
ただ、栄養価も含めすべてにおいて優れた蜂蜜です。
一度食べたらこれ以外の蜂蜜はもう食べられないのではないかと思うほど感動します。
下記にも紹介しておりますが、地方の道の駅などで販売していることがよくあります。
見つけたら即購入ですよ!
蜂蜜×ヨーグルト=免疫力UP
蜂蜜に含まれるオリゴ糖と抗菌作用とがビフィズス菌やその他の乳酸菌の活性化を促します。
なので、ヨーグルトと一緒に取るのが免疫力UPには効果的です。
詳しくは→ここ
ヨーグルト×蜂蜜+緑茶 これで免疫はばっちりです。
結晶化について
蜂蜜酒
蜂蜜がお好きなら必ず通ってほしいのが蜂蜜酒です。
クレオパトラも飲んだと言われる【ミード】という人類最古のお酒です。
ワインより起源が古いものになります。
味わいは想像とは違い、あまり甘くなく、どちらかというとビールに似た味わいです。
ほのかに蜂蜜の風味がして何とも上品な味わいです。
他にも種類はたくさんあるので、お気に入りの1本を探してみてください。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
蜂蜜がもっと好きになりましたか?
起源前6000年も前から利用していて、これだけ科学が進歩した中でもまだまだ分からないことが多くあります。
味の構成や保存性など、大自然が生み出す複雑で美しい恩恵に私たちはこれから多くのことを助けてもらうのでしょうね。
ちなみに、蜂一匹がその一生で集められる蜂蜜の量は、
およそティースプーン一杯分です。
紅茶に入れる一杯は一匹の蜂の命ですね。
蜂蜜ライフをもっと豊かに。
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