緑茶を飲めば免疫力を向上させることが出来ると聞いたことはありませんか?
インフルエンザ予防になるという話をよく耳にするかと思います。
でもどのお茶がいいのかがわからない、飲み方がわからない、PETボトルのお茶にも効果はあるの?
そんな疑問にお答えします。
・お茶の免疫力(EGCG、EGC)について
・緑茶カテキンEGCGとEGCの取り方は?免疫力を向上させる方法は?
・どんなお茶がいいのか
・新型コロナへの有効性について、現段階の情報が知りたい
緑茶の免疫について、飲み方から免疫のメカニズムまですべてお答えいたします。
免疫力向上にいいお茶はどれ?
免疫力向上に有効なお茶は、緑茶です。
カテキンという栄養成分が豊富に含まれる緑茶は、抗菌抗毒作用、ウィルス感染低減、体内免疫システムの向上
など、様々な効果を発揮します。
お勧めのお茶
緑茶の中でも特にカテキンが豊富なお茶は以下の通りです。
・煎茶
・番茶
・釜炒り茶
蒸し制緑茶であるこの3種類(釜炒り茶は少し違う)はカテキンを豊富に含んでいるため、免疫力向上にとても有効です。
特に番茶はカテキン含有量がトップクラスです。
価格も安価なため、毎日のお茶にもおすすめです。

緑茶で免疫力を高める
緑茶には免疫力を高めてくれる力があります。
緑茶に含まれる 緑茶カテキン がそのカギです。
免疫に関わるカテキンは2種類あります。
ここからはカテキンと免疫についてお話します。
2種類の免疫作用と効率のよい摂取方法をお教えします。
エピガロカテキンガレート(EGCG)
エピガロカテキンガレート(EGCG)はカテキン類の中で最も注目されています。
以下EGCGとします。
・高い抗ウィルス作用
・高い抗菌作用
抗ウィルス作用
まずは抗ウィルス作用です。
抗ウィルス作用は免疫力向上とは少し違いますが、インフルエンザ予防などにとても有効です。
EGCGはウィルスの感染機能を阻害する働きがあります。
下の図をご覧ください。

簡単に説明すると、まずインフルエンザのようなウィルスは人の細胞にくっついて感染します。
細胞にくっつくと、細胞がウィルスを取り込み、細胞内でウィルス内にある悪い部分が暴露されて発症します。
ところがEGCGがウィルス表面にコーティングをしてくれます。
するとウィルスは細胞にくっつくことが出来なくなり、感染することができなくなります。
ウィルスは種類が異なっても感染メカニズムが同じというケースが非常に多いです。
もちろん新種のウィルスにも有効です
抗菌作用
次に抗菌作用についてです。
この抗菌作用が免疫力向上と密接な関係があります。
EGCGの抗菌力はとても優れていて、その効力は腸内でも発揮されます。
つまり腸内環境を整えるのにとても役に立ちます。
人間の免疫力の70%が腸で作られます。
腸を元気にしておくことがとても重要なのです。
ではなぜEGCGの抗菌作用が腸を元気にするのか。
それは、腸内の悪玉菌を退治するからです。
EGCGは腸内の悪玉菌を攻撃し、殺菌します。
食中毒菌のO-157や黄色ブドウ球菌も殺菌します。
さらに、O-157が産出するベロ毒素に対して抗毒素作用を持ちます。
かなり強い抗菌作用を持つとても優秀な栄養素になります。
しかし驚くべきはEGCGは、ビフィズス菌などの乳酸菌に対しては殺菌効果を示しません。
つまりEGCGは、腸内の善玉菌を多く残し、悪玉菌を減らすことで腸内環境を良くしてくれる、優れた機能をもった成分であるということです。
エピガロカテキン(EGC)
EGCはまた別の免疫向上作用があります。
EGCは腸の免疫システムに直接働きかける効果があります。
下の図をご覧ください。

簡単に説明します。
まず腸にいる免疫細胞内には、マクロファージという細胞が存在します。
このマクロファージが異物(病原菌など)を食べ、その情報をリンパ球に伝達し、同じ病原菌を攻撃することになります。
EGCは、このマクロファージの働きを活性化します。
免疫力が低下すると、マクロファージの動きが悪くなり、病原菌などの異物が侵入しても攻撃できなくなります。
しかし、緑茶カテキンであるEGCがその機能を回復させてくれるのです。
これで免疫力、爆裂アップだ!
免疫力を上げるために大切なことは以下の2つです。
・カテキンの摂取の仕方
・いかに効果を持続させるか
これら2つを意識すれば免疫力の向上は確実です!
難しいことは何もありませんが、まずは続けることが重要です。
EGCGの摂取と免疫力向上
このEGCGとEGCは一つだけ困った特製があります。
実はお湯で淹れたお茶にはEGCG、水で出したお茶にはEGCとそれぞれ抽出温度が変わります。
そしてEGCGとEGCは一緒に取ると互いを打ち消し合う作用が働きます。
でも安心してください、解決方法は簡単です。
温茶と冷茶を飲み分ければ大丈夫です。

EGCGは熱めのお湯で淹れたお茶から豊富に摂取できます。
つまり、急須で淹れたお茶です。
淹れ方については↓の記事をご覧ください。

緑茶×ビフィズス菌が効果的
免疫力を向上させるために緑茶とビフィズス菌は非常に相性がいいです。
ビフィズス菌は、腸内環境を整えたり、病原性、薬物耐性のある菌類を撃退するほか
認知機能の低下の抑制やアレルギー疾患にも効果がある大変優秀な乳酸菌です。
そして、ビフィズス菌の持つ抗体が免疫力向上に大きく貢献していると言われています。
上記でも説明しましたが、EGCGはビフィズス菌を攻撃しません。
お茶を飲むこととビフィズス菌を摂取することを併用していただくことをおすすめします。
ヨーグルトを食べる習慣がある方はそのまま続けてください。
出来ればビフィズス菌入りかどうかを確認することをおすすめします。
今は便利なサプリメントも多数販売されています。
値段もヨーグルトを買うよりコストパフォーマンスがいいです。
ビフィズス菌はさらにハチミツとの相性もいいです。
ちなみに、ビフィズス菌の持つ抗体が免疫力向上に大きく貢献していると言われています。
腸内の免疫向上に作用する乳酸菌はビフィズス菌だけではないわ。
納豆菌やその他の乳酸菌も大きな役割を持っているのよ。
ヨーグルトだけでなく、その他の発酵食品も進んで食べることが大切ね!
それぞれにあった方法で腸を元気にしましょうね!
紅茶はどうなの?
紅茶も抗ウィルス作用があるため、インフルエンザ予防になると言われています。
カテキン自体の含有量は少ないですが、テアフラビンという成分がカテキンと同様の働きをしてくれます。
ただし、ミルクティにしてしまうと効果がなくなります。
砂糖やレモンを入れるのは問題ないです。
とにかくお茶を飲むことが大切なんですね!
EGCの摂取と免疫力向上と飲み方提案
EGCは水出し冷茶で多く摂取できます。
低温で抽出することによって、EGCGの抽出が抑えられるので互いを打ち消し合うことがなくなります。
こちらは食べ合わせとかはなく、ただお茶を飲むだけです。
水出し冷茶の淹れ方
1:茶葉約10gを容器に入れる
2:冷水を750~1000ml入れる
3:冷蔵庫で約3時間置く
ちなみに冷水は冷たければ冷たいほど良いです。
10℃前後だとEGCの抽出率がよく、
0℃ぐらいの氷水だとカフェイン抽出がほぼ0になります。
また、成分の抽出自体は約1時間でちょうどいいぐらいになります。
3時間置くのはお茶の味がよくでるためです。
使うお茶によっては(産地の違い、普通蒸しと深蒸しの違いなど)1時間程度で美味しく飲むことができます。
温かいお茶と冷茶を飲み分けるなんて大変?
そう思ってる方に提案です。
2つの淹れ方を使い分けるのは少し大変と思われがちですが、
水出し冷茶に関しては、茶葉が入った容器に水を入れて冷蔵庫に入れるだけです。
なので急須でお茶を淹れることが苦でなければ余裕です。
下記に紹介しているようなボトルを使用すると便利です。
フィルター付きのボトルであればどんなものでも構いません。
飲み方としては、頑張りたいときにはお湯で淹れたお茶を飲み、普段の水分補給に水出し冷茶を飲むのがいいかと思います。
冷蔵庫を開けて緑茶があったら飲んじゃいますし、普段麦茶などを作っている家庭ならそれを緑茶に変えるだけです。
冷茶は温めて飲んでも大丈夫か
水でもお湯でも一度抽出された栄養成分はそのままの状態で残ります。
そのため、EGCをとるために水出ししたお茶をレンジなどで温めて飲んでもしっかり摂取することが出来ます。
逆に、お湯で淹れたお茶を冷やしてもしっかりEGCGを摂取できます。
PETボトルのお茶はどうなの?
PETボトルのいわゆる緑茶飲料に関しては賛否があります。
最近ではガレート型カテキンが入った機能性表示がある商品もあります。
PETボトルの緑茶飲料は手軽ですし、番茶のような立ち位置のお茶であるため、飲みつかれないです。
しかし、商品の表示にもあるように一定量を飲む必要があります。
そしてカテキンに関しては熱を加えるとエピ化という現象が起こり、カテキン本来の効力を失ってしまいます。
緑茶飲料抽出や殺菌工程によるにエピ化はあり、およそ半分が効力を失うと言われております。
そして何よりコスパが悪いです。
下記がそれぞれのカテキンの含有量になります。
リーフのお茶 1杯あたり約20円(カテキン摂取量約40㎎)
PETボトルのお茶 1本約120円(カテキン摂取量170㎎)
リーフのお茶 100mlあたり約30㎎
PETボトルのお茶 100mlあたり約20㎎(エピ化も含むためさらに減る)
PETボトルの緑茶飲料でカテキンを栄養素として摂取するのはあまり現実的ではないように思います。
ただ、トクホなどの高濃度カテキン配合のお茶は使い方次第でインフルエンザ予防に使えます。
EGCGは口に含むだけでウィルス感染を抑制する効果があります。
ウィルス感染はのどや鼻の粘膜から体内に侵入して行われます。
カテキンは口に含むことで約1時間口内にとどまります。
その間口内にウィルスが侵入してもEGCGがウィルス感染の機構を無効化するため、感染しづらくなります。
下記の記事はお茶によるインフルエンザ予防に特化した記事になります。
高濃度カテキン配合のPETボトル飲料の飲用についても記しています。
飲み方の注意点もございますので気になる方はご覧ください。

緑茶やビフィズス菌、日本人はウィルス感染に強い
かつて世界中で問題となった新型コロナウィルス、今もまだその話題が尽きることがありません。
各国でワクチン開発が急がれたころ、一つの希望の光が世界を照らしたことをご存じでしょうか。
それは奈良医大でカテキンやテアフラビンなどの成分が新型コロナウィルスを不活性化することが確認された
というニュースでした。
その後、緑茶カテキンであるEGCGについても有効であるかどうかの研究が続けられていましたが、そもそも薄っすらとですが効果があるのではないかと業界の人間や、専門家はわかっていたはずです。
コロナウィルスはエンベロープ・ウィルスと呼ばれる型のもので、インフルエンザウィルスと同じ型になります。
また、ウィルスの特徴として、エイズウィルスに共通したものがあります。
当時はとても短い期間でいくつかの型にも分かれましたが、エンベロープを持つ構造であることは変わりありませんでした。
緑茶カテキンであるEGCGや紅茶に含まれるテアフラビンは、エンベロープ型ウィルスの感染を防ぐ効果がある事が随分前から知られています。
しかも、その効果はある一定のウィルスに有効なのではなく、感染メカニズムに対して有効とされています。
つまり、ウィルスの感染メカニズムに変化がない限り有効であるということになります。
奈良医大で化学的に証明された1件として、その有効性に関しては大いに期待されるところでしたが、コロナウィルスがエンベロープ型で証明された時点で、緑茶カテキンも有効であったとたくさんの人が安堵したのだろうと思います。
専門家のご意見
2000年も前から薬効利用されてきただけのことはあります。
そしてそれを結論付けたのが、当時世界の感染者数及び死亡者数を見ても、日本はかなり少ないことがうかがえたことでした。
当時は年々増加傾向にあったものの欧米に比べれば圧倒的に少ない数でした。
日本人はお茶を飲んでいたことが大きな理由となったことは、医学的な証明がなくとも科学的に結論づけれていなかったとしても確かなものが感じられていたと思います。
日本という国は、元来食生活にとても恵まれています。
そのことを改めて実感した瞬間だったのではないかと思います。
かつてSARSが流行した時も、韓国や日本の死亡者数は中国に比べて圧倒的に少ない数だったことをご存じでしょうか。
その要因が発酵食品を食べる食文化が大きく影響しているというものでした。
医学が進歩し、ワクチンや特効薬の開発が進めば安心ですが、やはり本当に大切なのは自らの免疫力に頼ることだと思います。
特に日本という国ではその免疫力を手に入れやすい食文化であるということを改めて幸運なことだと感じます。
バランスのよい食生活や発酵食品をたくさんとること、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
そこにプラスαでお茶などの予防効果がある食品やサプリなどを加えていけばたいていのことは乗り切れるのではないかと感じる次第です。
ただ間違った解釈だけはしないでください。
お茶や有効成分を取れば病にかからなくなるのではなく、あくまでも免疫にサポートしてくれるものであるということです。
だからこそ、すぐに結果がすぐに出るものではなく、習慣化することで長期的に自らを守ってくれるものになります。
食というものは楽しむものです。
お茶を飲まなくちゃ、発酵食品を食べなくちゃ、と義務的になってしまうのは本末転倒です。
どんなものが体にいいのか、免疫力を上げてくれるのは何か、それを知っているだけでいいと思います。
毎日でなくても、気づいたときに取り入れてみればいいのではないでしょうか。
そしてその時、お茶が美味しいと感じたら、毎日のように飲みたくなるかもしれません。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
緑茶カテキン、EGCGとEGCの素晴らしい健康効果です。
お茶を飲むだけでここまで体を守ってくれるなら飲まない理由がありません。
あまり飲み慣れない方もいらっしゃると思いますが、急須で淹れた暖かいお茶、ティーパックでもいいです。
少しこだわって飲んでみると毎日が変わるかもしれません。
ゆたかなティーライフを。


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