
今回も少しおおげさな話と思うかもしれませんが、決してそんなことは無いので興味があれば読んでいただきたいです。
美味しくないお茶を淹れた瞬間からあなたの人生は充実に向かっている最大の理由はここです。
急須で淹れたお茶にはこんな力があります。
いえ、お茶だけでなく、嗜好品として食べたり飲んだりしている【チョコレート】や【コーヒー】にも同じ力があります。
僕はお茶の専門なのでお茶の視点から語りますが、お茶以外の嗜好品とも重ねてみてもらって大丈夫です。
Contents
まずは食について
昨今の食事情を考えると、世界全体とは言えませんが、少なくとも日本において「飢え」というものとは程遠い食の流通システムがあるのではないかと思います。
戦後の貧しかった日本国において、二度と国民を飢えさせないと心に強く思ってくれた先人たちが今の食のシステムを構築してくれました。
お金さえあればコンビニ、ファーストフード、ファミレスなどいつでもどこでも何かを食べることができるのですから、こんなに素晴らしい時代はないと思います。
先人達には感謝です。
ところが一方でこの食のシステムによって食というものに対しての重要さや大切さが薄れてきているというのも事実です。
安価な食事が人の能力を退化させている
以前もコラムでも食に関して書いたことがありますが、その内容は【感謝】などの気持ちに対する内容でした。
感謝の気持ちを持ち直すことで人生が変わるというお話しです。
興味がありましたら下の記事をどうぞ。
ただ食に対して人々が本当に失いかけているものとは能力に関するものです。
それが味覚についてです。
普段何も考えず、コンビニやファミレスなどで食事ばかりをしていると、舌が有効に働かなくなります。
本当に美味しいものがわからなくなるのです。
美味しいと感じさせられている
あなたは普段の食事で何を食べようか選んでるかもしれませんが、実際は選べていません。
例えばコンビニのお弁当、昨日は唐揚げ弁当だったから今日はオムライスにした、一見違うものを食べているようですが、食べている物は同じような中身のない食事です。
その証拠に、食べたものの味を覚えていないのではないでしょうか?
コンビニやファミレスなどの食事は、あえてしっかりと味付けをされています。
それは食べている人が感じようとしなくても感じてしまうほどに強くついています。
無理やり感じさせられているのです。
感じようとすることと感じさせられるのでは全く意味が違ってきます。
感じようとすると、何がどう美味しいのか、どんな香りがしてどんな食材が使われているのかを考えます。
脳も活性化されますし、考える事や発見することで喜びや感動を得ることができます。
一方感じさせられるということは、それらを一切考えることなくただ何となく美味しいが印象に残るだけです。
なのでたいして得るものはなく、さらにその味に慣れてしまうと本当に美味しいものを食べた時に物足りなさを感じてしまうようにもなります。
そんな食に対して、どうすればいいのでしょうか?
答えは簡単、感じることができるようになる日課を取り入れることと、感じようとすることをすればいいのです。

お茶を美味しく淹れたいと思ったときから変わっている
どうしたら食に関して退化した自分を取り戻すことができるのでしょうか。
その答えは3つです。
2、なるべくいいものを選ぶ
3、感じ返す
1、嗜好品を生活に取り入れる
僕の経験談です。
お茶を美味しく淹れたいと思い練習しているうちに、いろいろなお茶を飲み始めます。
そこでお茶の飲み比べをし始めます。
すると味や香りの違いに気づき、さらに細かい変化やわずかな味や香りに敏感になります。
すると、普段食べている食事の味や香りも敏感に感じられるようになります。
そこから、いいものがわかってくるようになります。
いいものがわかるのには、お茶の他にどんなものを飲んだり食べたりするかによって変わりますが、少なくとも今まで気づくことのなかった味や香りには確実に気づけます。
感じようとすることの始まりが嗜好品という良質な趣味
なぜこんな話をしたかというと、お茶を飲むことで今まで気づくことのなかった味や香りに気づくことは食に対しての喜びを見出すことだと思っているからです。
そしてそれは美味しいお茶を淹れたいと思った瞬間から始まっています。
これは、お茶だけではなくあらゆる嗜好品が同じ力を持っていると思います。
【コーヒー】や【チョコレート】、【日本酒】や【ワイン】など、眠気覚ましやただ甘くておいしいからではなく、香りの違いや本当に美味しい1杯に興味を持った瞬間に人生は変わっています。
化学的根拠があるからというわけではありませんが、嗜好品というのは間違いなく、食べることで感じる物の違いに興味を持たせてくれるものだと思っています。
自然に作られたものや誰かが心込めて育ててくれたものだからこそ心を揺さぶってくるものがあります。
2、なるべくいいものを選ぶ

正直現代の食生活において、1から10までいいものを食べるというのは不可能に近いです。
それこそ田舎に住んで自給自足をするぐらいのことをしなければ厳しいと思います。
ただ、なるべくいいものを選ぶことはできます。
何がいいものかは人それぞれ基準が違いますが、少なくとも専門店で買うものや、いつもよりグレードの高い物というイメージです。
例えば普段の生活でここだけはいい物にしようとすることから始めてもいいかもしれません。
例えばコーヒーやお茶だけは専門店で買うとか、ヨーグルトに淹れる蜂蜜は純粋蜂蜜にする、日本酒は醸造アルコールの入っていないものにするのもいいです。
どれもコンビニやスーパーで買うよりは少し割高です。
それでも、あなたの毎日を充実させてくれます。
3、感じ返す
感じさせられているのが嫌なら、感じ返せばいいのです。
実は退化した能力というのは普段使わないから退化するだけであって、意識すればすぐに良くなってきます。
普段食事をするときに、この料理がどんな味がしてどんな香りがして、奥行きは、深みは?と考えることは無いと思います。
大量生産される安い食品やファーストフードなどは、また食べに来てもらおう、買ってもらおうとするため印象に残らなければならないのです。
だから何も考えないところに美味しいと感じさせるだけの強い味や香りをつけているのです。
これ、とても面白いんですけど、意識してどんな味や香りがするのかを考え感じながら食べると、驚くほど人工的な味がします。
多くの人が経験したことがあると思いますが、コンビニやファーストフードってずっとは食べたくないと思います。
身体が受け付けなくなります。
たとえ理解できなくても無意識に身体が受け付けなくなりますが、これを頭で理解すると本当にまずいとしか思えなくなります。
これに気付くことができれば自然と食べる物を選ぶようになります。
最後に
いかがでしたか?
美味しいお茶を淹れようとすることがまさかこんなところにつながっているとは思わなかったと思います。
現代の食事情について語りましたが、僕が言いたかったのは【嗜好品が食を豊かにしてくれる】ということです。
そしてその始まりは興味を持つこと、美味しく淹れたいと思うことだと思っています。
なので、お茶を淹れてみようと思ったあなたはものすごくラッキーなんですね。