コラム

食品は薬ではない

食品の栄養効果についてはよく話題になる内容だと思います。
特に感染予防や免疫と言った言葉には多くの人が敏感であり、反応すると思います。

最近の話題ですと、コロナ感染予防をうたって商品を販売している業者がかなり多くいます。
今月5日には30社以上が消費者庁に改善要請を受けました。

食品は薬ではない

まず消費者の認識として必要なのが【食品は薬ではない】ということです。
この認識のずれが意外と大きな問題を生むと思っています。

例えば、僕はお茶のことが好きで勉強しています。
特に緑茶のことを詳しく学んでいますが、緑茶には健康効果が数えきれないほどあります。
皆さんもよくご存知の【緑茶カテキン】という成分がすごい力を持っています。

緑茶カテキンはインフルエンザ予防から生活習慣病予防まで広く効果があり、人々は大昔からその薬効を利用してきました。
僕が特に注目しているのは免疫向上についてです。
当サイトでも掲載してますが、緑茶の免疫効果やサポート効果は非常に優れていると思います。

ただこの効果というものを、あたかも魔法のように感じて信じる人が多いのではないかと思います。
改めて認識してほしいのは、食品の栄養効果はあくまで予防であって薬のように瞬時に治すものではないということです。

どういうことか説明します。

緑茶の免疫効果はパズルの1ピースでしかない

あなたがもしストレスも少なく健康的だったとしたら、お茶の免疫効果なんてなくても何ら問題はないです。
生活リズムが整い、食もバランスよくとれていたら、免疫もかなり効果を発揮しているはずです。
逆に生活のバランスが崩れていたらどんなに良質な免疫効果のある食品をとっても、その効果を上手く発揮してくれません。

要は体の免疫機能というのは、あらゆる側面から健康であって初めて発揮されるものであるということです。

世の中にはたくさんの健康食品があります。
自然の物はたいてい健康で、免疫改善につながるものだと思います。
これらを日々バランスよくとる事、夜はしっかり寝る事、日ごろからリラックスできるようにしてストレスをためないこと。
あなたの生き方すべてが健康や免疫に関係していますし、これらを続けることでその効果があらわれます。

なので少し体調が悪くなった時に「そうだ、免疫を向上させる食品を食べなきゃ」と言って、そこから数日その食品を食べたところで身体的な変化はほとんど起きません。

なので僕自身もお茶の免疫のことをすごく信じていますが、お茶だけ飲んでいても健康にはなれないとも思っています。

あらゆるものをバランスよく、続けること

僕はお茶に携わっている人はコロナに感染しづらいと思っています。
それはお茶の健康効果ももちろんありますが、なにより生活バランスがとても整っているからです。
農家にしてもお茶を淹れる人にしても、お茶はその人の人間性や普段の生き方が現れてきます。
なのでいいお茶を作っている、消費者にすすめる人はみな健康的です。
これは何年も前からつづけていることなので、健康的な生活が習慣になっているからです。

世の中の人は情報に流されてすぐに話題のものに飛びつきます。
最近だと、とある企業の緑茶飲料がすごく売れたり、納豆やヨーグルトが品薄になったりと免疫関係の食品が話題になったからです。
それらをすぐに結果が出ると思い込んで突然多くの人が食べ始めますが、それを半年後、一年後も毎日続けられますか?
いまここから数週間食べたところで、その後やめてしまえば何の意味もないのです。

免疫力を向上させる食品もとりつつ普段の食事もしっかりとること、生活リズムを安定させること、これを続ければ病気の不安に襲われることも少ないのです。

今回の件で指摘を受けた会社は嘘つき?

今回消費者庁から指摘を受けた30社余りの会社がうたっていることは、間違いではないと思います。
広い意味でいうと健康的で免疫力向上もするし、感染予防にもなります。

例えばお茶の緑茶カテキンは抗ウィルス作用があります。
これまでの歴史をみても化学的根拠としてコロナに有効だと僕は信じています。

ただこの情報はあくまでも、緑茶カテキンが持つ効果と過去の情報を基に推測をしているにすぎません。
この状態で【効果がある】【予防になる】と言い切ってしまうのがよくないということです。

 

情報はとてつもないスピードで、世界中に広まってしまいます。
それによって消費者の認識による、混乱を招く恐れがあります。
その混乱とは先ほども少し説明しましたが、ある一定の食品をとり続けることで自分は健康になれるという認識です。
しかも多くの人が、わりと早く結果がでると思っています。
この認識から、いざ自分や身近な人が病気になったときにクレームが発生します。


販売側としては、化学的根拠はなくとも過去に多くの人がそれを食べることで健康になれたという確信はあるのだと思います。

しかし、情報発信においては大きな責任を伴うということを改めて認識する必要が在るかと思います。

消費者は情報に流されないことが大事

今後は自分自身で何が正しいかを判断していかなければならないと思います。
情報が多い現代においてどの情報が正しいかを判断するのは難しいですが、多くの人はメディアの情報を鵜呑みにして振り回されているのも確かです。

何か新しい情報が入ればすぐに結果が出ると思って始めたけど、すぐに効果が出ないとわかると別のことに手を出す、この繰り返しがよくないです。
何も定着しないまま時間だけが過ぎていきます。

まずは健康や免疫の本質に立ち返り、何が大切かを把握したうえでしっかりと選んでいきましょう。
あなたの身体を健康にしてくれるのは特定の食品ではなく、食生活そのものだということです。